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今回も、前回に引き続き「聞く事」に焦点を当てたコラムを書いていこうと思います。
前回は
- 人はみな自分をわかってほしい
- だから、相手の話をじっくり聞く事は信頼構築にもつながる
- でも、話を聞くって難しい。
- まずは、本当に理解しようと思って聴こう!
といったような内容でした(おおむね)
そして、今回は
じゃあ、具体的に聞き上手になるテクニックはないのか!という事について書いていきます。
聞き上手になるための7つのルール

- 相手の顔を見る
- 興味を示す
- 身を乗り出して聞く
- 質問を交える
- 相手の会話を遮らない
- 話しての話題に従う
- 話し手の言葉を使って、自分の意見を伝える
アメリカの心理カウンセラー レス・ギブリン氏によると、聞き上手になる為にはこの7つのルールが有効だそうです。
どれも簡単そうに見えて、実践の場で発揮するは意外と難しい。一日に1つを意識する事から始めてみても良いかも知れません。
これは、大人との対話場面ではもちろん、子どもとの対話場面においても非常に重要です。どういう事か、1つずつ深堀していきましょう。
相手の顔を見る

①相手の発言に集中する為
大人は意外と相手の顔を見ていない
大人は意外と子ども達の顔を見て話を聞いていません。
- 「そうね」と返事をしつつも、料理を続けていたり
- 「へぇ、」と返事はするけれど、顔はスマホに注目していたり
等がその例です。そんな大人を見かけると、もっとちゃんと話を聞いてあげたらいいのに!と思ったりもするでしょう。
では、私たち保育士はどうでしょうか?
- 製作や保育の準備をしながら話を聞いていませんか?
- 保護者や同僚と話をしている際に子どもが話に割り込んできたとき「ハイハイ」と顔も見ずに返事をしてしまっていませんか?
忙しい保育現場ですので、ついついそのような場面もありますよね。
でも!!!!
ここで相手の顔を見る事が出来れば、子ども達の自尊心を満たす事が出来ます。
とはいえ、、、
自分の仕事も大切だし、保護者や同僚と話をしたい場面もあります。「子どもが話をするたびにいちいち顔を見ながらしっかりと聞いていたら、キリがない!」と思われる気持ちもわかります。そこで次に示す1つのコツを実施してみましょう。
子どもの話と、自分の仕事を両立させるコツ
単純なコツですが、顔を見て話が聞ける状況の時に、話を聞くようにすると良いです。これを僕はおススメしています。
たとえば、顔を見て話すのが難しい時には必ず後で聞くと約束をする▶それを守るというアクションを取るという事です。
- 今○○さんのお母さんとお話をしているから、この話が終わるまで待っててくれる?
- 今、この仕事をしていて手が離せないからこの後で聞かせて貰ってもいい?
と約束をすると、子ども達も割と待ってくれるものです。
そして、約束の後は必ずその約束を果たすようにすると良いと思います。
もしかしたら約束をした子は、すでに違う先生に話をしているところかも知れません。
すでに、違う遊びをしているかも知れません。
それでも、「さっきの話の続き聞かせて」と大人の方から話を聞きに行ってあげる事が大切です。
そうする事で、次回「ちょっと待って貰える?」とお願いした時に、しっかりと待ってもらう事が出来ます。こうやって、子ども達は大人を信頼していきます。
相手の発言に興味を持っている事を示す

人はだれしも、自分を理解して欲しい
子ども達は、大好きな親や先生に話を聞いて貰うのがとっても嬉しいのです。そして、話をして共感してもらえたと思う時、もっと嬉しいと思います。
前回のコラムで「子ども達は聴いてもらっている実感を求めている」という話が出てきたと思います。
私たち大人も聞き手の反応がいまいちだった場合、相手は耳で自分の声を「聞いている」のは分かっているのに「あまり話を聴いてくれなかった」と悲しい気持ちになると思います。
ですから、聴いているよ。と興味を示す事が重要です。
では、具体的にどのようなアクションで興味がある事を相手に示す事が出来るのでしょうか。例えば
- 賛同 ▶ うなずき
- 共感 ▶ ほほえみ
- 相手の仕草に反応して見せる
などを交える事で伝える事が出来ます。特に子ども達は、非言語コミュニケーションに優れているので大人が話をきちんと聴いているかどうか なんていうのはお見通しなのです(笑)
相手の方に身を乗り出す

相手に、話を聞いている事を伝える事が出来る
一時期、「人の本性を見抜く心理学」のようなタイトルの本が流行した時期がありました。ちょうどメンタリストDaigoさんがTVで活躍されていた時代くらいでしょうか。本の中には信憑性に欠ける記述が多いものもあり、日常生活に活かさない方が良いなと感じるものも多く出版されていたような気がします。
そんな本や情報が巷に溢れていた時代に、「相手の仕草から深層心理を探ろう!」みたいな情報に多くの大人が関心を向けていました。たとえば、「腕組をしていたら興味がない証拠とか」「鼻を触るのは嘘をついているからだ」みたいな情報がそうです。
私は、この手の情報をあまり活用しすぎるのは好きではありません。なぜなら、些細な仕草や癖を変に深読みして、相手の気持ちや関心を知った気になってしまうのはもったいないと感じるからです。
そんな私も、「人は関心がある話の時には身を乗り出して聞き、無関心な際にはそっぽを向く」という傾向はその通りだと思っています。これは、行動心理学や脳科学的な見解というよりも、考えてみれば当たり前の事ですね(笑)
人前に立って話す場では、よりこの事が分かります。人は自分が思っている以上に「関心がある話題」と「無関心な時の話題」で態度に差が出やすいものです。(※研修会などの場において、それが悪い訳ではありません。)
そしてそんな聴き手の興味の有無は、実は子ども達にもよく伝わっています。なので大人はしっかりと相手の話に興味を持って、それを態度に示す必要があるのです。
保育の現場では、目線を合わせて話を聞いたりする事が類似の行為になると思います。
副効果
また、相手の方に身を乗り出したり、目線を合わせて話を聞く事で思わぬ副効果を僕は感じています。それは・・・
なんだか興味がわいてくる!!!!
という事です。
「人は幸せだから笑うのか、笑うから幸せなのか」
みたいな話に近いと思いますが、他人が話をしてきたときに最初は興味がないよいに感じても自分が「身をのりだす」というアクションを意識すると自然と興味が湧いてくる事も多々あります。
こうなってくるとその対話に、好循環が生まれます。
最後に。
いかがだったでしょうか。
次回は聞き上手になるためのルール4~7について、
また独断と個人的見解をバリバリ加えて、解説していきます。
なお、今回の参考文献は以下の書籍です。
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