基本的生活習慣とは何か
基本的生活習慣の獲得とは、自分の身の回りのことが出来るようになるまでの過程です。
この基本的生活習慣は、子どもが心身ともに健やかに育つための生活基盤となるものです。
基本的生活習慣は、
- 食事
- 睡眠
- 排泄
- 清潔
- 着脱
- 社会性
6つのカテゴリに分ける事が出来ます。
保育では、このカテゴリーから挨拶やマナーの項目を抜いた「食事・睡眠・排せつ・清潔・着脱」5項目でよく語られますね。
具体的に言えば、早寝、早起きが出来て、食事をしっかりとる事が出来て、自分でトイレにいく事が出来る。さらに、身の回りを清潔に保ったり、あいさつや後片付けなども積極的にできる習慣は、小学校就学前に是非身に着けておきたい生活習慣ですね。
では、これらの力はどのように育っていくのでしょうか。1つずつ解説していきます。
食事
食事の発達の目安は次の通りです。ただし月齢・年齢はおおよその目安であり、個人差が大きなものである事が前提です。また、園の環境や考え方によっても大きく差がでる部分でもありますね。
この事を踏まえて、以下にまとめた大まかな発達をみていきましょう。
0~4か月 | 授乳期。機嫌よく、ミルクを飲む事が出来ます。 |
5~6か月 | 離乳初期。ペースト状のものを飲み込む事が出来ます。 |
7~8か月 | 離乳中期。下で潰せる硬さのものを食べられます。 |
9~11か月 | 離乳後期。歯茎で噛める硬さのものを食べる事が出来ます。 |
~1歳半 | 離乳食の完了! |
~2歳 | 食べこぼしながらも、自分でスプーンを使って食べようとします。 |
~2歳半 | スプーンやフォークが扱えるようになります。 |
~3歳 | スプーンやフォークを上手に使い、意欲的に食べる事が出来ます。 |
~4歳 | 箸を使って食事をしようとします。 |
~5歳 | スプーンやフォーク、箸を適切に使う事が出来るようになります。 |
~6歳 | 自分の食べられる量が分かり、食べる事が出来ます。 |
睡眠
睡眠は、人間にとって不可欠な習慣ですが脳の発達とも密接に関わるデリケートな部分でもあります。
睡眠の大まかな発達は以下の通りです。
新生児 | 昼と夜の区別がまだ明確になっていない状態です。 |
~6か月 | 1~3か月ごろは、15~20時間ほど睡眠をとります。 また、4~6か月ごろは13~15時間ほどの睡眠をとります。 |
~1歳 | 睡眠時間が、12時間程度となります。まだ午前睡が必要です。 |
~1歳半 | 午睡が1回になります。 |
~2歳 | 落ち着いた雰囲気の中で安心して、十分に睡眠をとります。 |
~2歳半 | 午前睡をしない子どもが多くなっていきます。 |
~3歳 | 睡眠時間は、11時間から12時間程度です。 |
~4歳 | 一晩中眠る事ができるようになります。また、午睡をしない子も増えてきます。 |
~5歳 | 昼寝をしない、または嫌がる子が出てきます。 |
~6歳 | 睡眠時間は10~11時間程度です。昼寝の必要がない子どもが多くなります。 |
排せつ
特に、おむつが外れる時期には大きな個人差がありますよね。
そんな排せつの発達は、お父さん・お母さんにも知って見通しをもって欲しい部分ですね。
~6か月 | 膀胱に尿がたまると、自然に排せつできます。 |
~1歳 | 便意をもよおすようになります。 |
~1歳半 | 膀胱に尿をためる事が出来ます。 |
~2歳 | 膀胱に尿がたまった事を自覚できます。 |
~2歳半 | 便意や尿意を感じると、トイレに行こうとします。 |
~3歳 | トイレで排せつするようになる。我慢が出来るようになります。 |
~4歳 | 尿意を感じると一人でトイレにいきます。 |
~5歳 | トイレで排せつする。後始末もでき始めます。 |
~6歳 | 自らトイレにいき、後始末もできます。 |
清潔
ここからは、社会的な生活習慣です。社会的な生活習慣は、国や地域の文化とも密接に関わる部分であり、大人の援助なしに獲得していく事は不可能な領域です。
~2歳 | 水を出してもらえば、自分で手を洗えます。 |
~2歳半 | 清潔・不潔が分かり、不潔な場合に手を拭いたり鼻をかもうとします。 |
~3歳 | 乳歯がそろい、歯磨きに興味を持ちます。 |
~4歳 | 自ら手や顔を洗います。また歯磨きを始めます。 |
~5歳 | 汚れを嫌がり、衣類の交換等清潔を保とうとします。 |
~6歳 | 積極的に身だしなみを整えます。また、お風呂で体が洗えます。 |
衣類の着脱
今は様々なオシャレな子ども服もありますが、着脱のしやすさも 服を選ぶ際の1つのポイントにいしていきたいですね。
~2歳 | 握力がつき始め、ズボンを履こうとします。 |
~2歳半 | 「自分でやる!」と主張し、協力を得ながら上着が着られます。 |
~3歳 | 自ら衣類を着るようになります。 |
~4歳 | 大きなものであればボタンをはめられるようになります。 |
~5歳 | 衣類の表替えしをしたり、ボタンの留め外しが出来ます。 |
~6歳 | 着脱の順序が理解でき、衣類の調節もできます。 |
社会性
社会性の中でも片付けは、子どもの発達に合った環境の中で習慣にしていく事が大切になります。
3歳の子に複雑な片付けを要求する事よりも、大雑把にでもいいので分類し片付ける事が出来た場面をしっかりほめる事の出来る工夫も必要となります。
マナーはその意味がしっかり分かり、喜びの中で身に着ける事が出来る事を目指したいですね。
~3歳 | 後片付けを進んでし、手伝いを頼むと、喜んでやります。 |
~4歳 | 片づけが習慣になり、基本的なマナーが身につきます。 |
~5歳 | 友達と協力して片づけをしたり、公共の場でのマナーが守れます。 |
~6歳 | 状況に合った挨拶が出来ます。またしっかりと見通しを持った行動がとれます。 |
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基本的生活習慣がどのように発達していくのか。まずは大人が見通しを持つ事も大切です。
今回の記事で、おおよその発達の流れが分かったと思いますが、では実際にどのように援助をしていけばよいのでしょうか。以下の記事で年齢別に解説していますので、興味のある方はあわせて読んでみてください♪
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