【具体例あり】10の姿をサラッと解説!

保育原理

幼児期の終わりまでに育って欲しい10の姿って結局なんだ?という謎を現役保育士がさらっと解説していきます。

まずはQ&A形式でよくある質問にズバッと回答!!

そしてその後、それぞれの姿について1つずつ解説していきます!

10の姿Q&A

Q
10の姿って何? 5領域や、3つの柱とは関係ないもの?
A

10の姿は幼児期の終わりまでに育って欲しい10の姿」という文言で、現行の保育所保育指針・幼稚園教育要領・幼保連携型認定こども園教育・保育指針の3法令に共通して登場する言葉です。

3つの柱を基本にして、5領域の内容を具体的な子どもの姿として表現したのがこの10の姿です。つまり「5領域のねらいに基づいて保育をしていくと、こんな子どもの姿が目指せるよ」という感じのものだと理解すると分かりやすいかも知れないですね。

Q
Q.卒園までの実現にしては、目標が高い気がします。どの様に目指せばよいでしょうか
A

実は10の姿というのは、幼児期のうちに達成すべき目標ではないのです。

10の姿は、子ども達が成長していく途中の姿です。この姿は、子ども達が達成すべき目標というよりも、保育者が日々の保育を振り返ってもっと良いものにしていく為の目安のようなものです。

子ども達が達成すべき目標とは、少し違う性質をもっているので注意が必要です。

Q
10の姿で保育はどのように変わるの?
A

ぶっちゃけて言えばそんなに保育も変わりません。

むしろ、10の姿が加わった事によって「これを卒園までに子ども達に達成させないといけない!」と勘違いをし、保育が窮屈に変わってしまう園さんは心配です。

前のQでも回答したように10の姿は、保育者が目指すべき保育の方向性のようなものです。ここに関しては、様々な解釈があるので(それもどうかと思いますが)他の人の意見を参考にしてもいいかも知れません。

大切なのは、みんなで新しい時代の保育を考え続けていく事です。

Q
どうして10の姿が必要なの?
A

これには大きく2つの理由があります。

  • これから、日本の幼児教育で大切にしたい事を明確にして、共有する為です。
  • 小学校との接続をもっと強化する為です。

10の姿は小学校教員とも共有されています。また、当たり前ですが、すべての保育施設で共有されています。10の姿が法令に加わった事で、日本の幼児教育の核がより分かりやすくなりました。

10の姿を見てみよう!

幼児期の終わりまでに育って欲しい10の姿

ここから先は上の図にも示した10の姿を、保育指針の文言と一緒に詳しくみていきたいと思います。

また、私が保育をしていてこれは10の姿の育ちだと感じた例も併せて紹介してみようと思います!読み進めていくうちに10の姿の持つ性格が少しひも解けるのではないかと思いますので、是非最後までお付き合いください♪

①健康な心と体

まずは、指針の文言をチェックしましょう!

引用は保育指針ですが、幼稚園教育要領及び、幼保連携型認定こども園教育・保育要領にも同様の記載があります!(10の姿に関する記載は3法令すべてに共通しているのです!)

ア 健康な心と体

保育所の生活の中で、充実感をもって自分のやりたいことに向かって心と体を十分に働かせ、見通しをもって行動し、自ら健康で安全な生活をつくり出すようになる。

・保育所保育指針(◆平成29年03月31日厚生労働省告示第117号) (mhlw.go.jp)

健康な心と体について、指針や要領にはこのような記載がされています。

POINT

子どもの健康な心と体の育ちを支えるポイントは以下の2点です。1つずつ細かくみていきましょう↓

  1. 充実感をもって自分のやりたい事に向かって心と体を十分に働かせること
    • 遊びに没頭し、心も体も元気に遊ぶことが出来れば充実感も得られます。しかし、人間の心と体は密に繋がっています。心が不安だったりネガティブな気持ちの時は、体も十分に働かす事が出来ません。また、体を十分に動かせる環境にないと、気持ちも沈んでしまう時があります。雨の日、外で思いきり体を動かせないと、なんだかイライラしてしまう子どもさんの姿はその代表例ですね。ここで大切な事は、心も体も十分に働かせること」です。そのために保育者は、子ども達が安心感をもって思いきり体の動かせる環境を構成したり、活動を支えていく事が大切なのです。
    • 「やりたい事に向かって」というワードも非常に大切です。例えば、健康な心と体を作る為に、単にみんなに同じ体操をさせるだけの保育は、この「やりたい事に向かって」という主体性の部分を無視している可能性があります。
    • 子ども達が充実感を感じながら、主体的に、心も体も共に元気に動かす事が出来るような環境や活動を作る事が、健康な心と体を育む為の大切な一歩です。

  1. 見通しをもって行動し、自ら健康で安全な生活をつくり出すようになる
    • 見通しを持てるという事は、日々を安心して過ごす為にも非常に大切な事です。
    • 一見難しい事のように思えますが、幼児期の終わりごろになると子ども達は「お散歩の前にはトイレに行っておこうかな」などと、見通しをもって自ら健康で安全な生活をつくり出す事が出来るようになってきます。
    • 個人差がある事は前提に、保育者は子どもの姿に合わせながら少しずつ「自分で健康に気を使って行動できるようになる」「自分で安全な生活をつくり出せる」「先の見通しをもって行動できる」といった姿が身につくよう、積極的に見守ったり、学びのチャンスを作っていく事が大切になります。

幼児期の終わりに見られる具体的な姿の育ちの例

  • 自分で体を上手に動かし、複雑な縄跳びや木のぼり、鉄棒などの多様な動きが出来るようになる
  • 思いきり動いて充実感を得る中で、自立心も養われていく
  • 縄跳びの新しい技や、より高い木のぼりなどに意欲をもって挑戦する。
  • 大人に言われなくても先を予測して行動できる。(寒い時には自分で防寒をして出かける/お散歩前にトイレへ行っておく)
  • 非常時には適切な行動がとれる(非常ベルが鳴ったら静かに担任の指示を聞く/木登りなどで、危険だと判断したら引き返す)

この姿に繋がる育ちの例

  • 0・1歳:安心できる環境の中で、保育者とのアタッチメント(愛着)をしっかり築く。その中で、心と体の健康が養われていく。子どもは、安心できる大人を安全基地として思いきり探索行動を楽しんだりする。
  • 2・3歳:保育者の援助を受けながら、着替えや食事などの生活習慣や体を動かす活動を自分から積極的にやろうとする。
  • 3・4歳:友達と「鬼ごっこ」や「だるまさんが転んだ」などの制限やルールのある遊びをする中で、多様な動きが備わってくる

②自立心

まずは、指針の文言をチェックしましょう!

イ 自立心

身近な環境に主体的に関わり様々な活動を楽しむ中で、しなければならないことを自覚し、自分の力で行うために考えたり、工夫したりしながら、諦めずにやり遂げることで達成感を味わい、自信をもって行動するようになる。

・保育所保育指針(◆平成29年03月31日厚生労働省告示第117号) (mhlw.go.jp)

自立心について、指針や要領にはこのような記載がされています。

POINT

子どもの自立心の育ちを支えるポイントは以下の2点です。1つずつ細かくみていきましょう↓

  1. しなければならないことを自覚し、自分の力で行う為に考えたり、工夫したりする
    • 5歳後半になると、主体的に生活をしたり遊ぶ中で自分のやりたい事や、しなければならない事を自覚するようになります。
    • したい事を自分の力でやり遂げる為に、色々と試したり考えたりしていきます。
    • 何かに打ち込んだり、挑戦していく姿が3つの柱の「学びに向かう力」にもつながっていきます。
    • 保育者は、子どもが失敗を恐れずに伸び伸びと、思いきり挑戦できる環境を作っていきたいですね

  1. 諦めずにやり遂げる事で達成感を味わい、自信をもって行動できるようにする。
    • どんなに好きな事、やりたい事でも上手くいかない事が続いたり、手間がかかり過ぎると嫌になる事もありますよね。でも、ここで我慢したり、挑戦し続ける事で達成したときの充実感は大きな自信になります。
    • 粘り強く取り組む力は、子ども達が小学校での学習に向かう際にも大きな武器となります。
    • 保育者の励ましや、手助けを借りながら、幼児期に「出来た!」という自信をつける事で自立を支えていきたいところです。
    • そしてこれらは、特別な活動を通して経験するのではなく、身近な環境に主体的に関わり、様々な活動を経験する中で少しずつ獲得していけるよう、援助する事が大切です。

幼児期の終わりに見られる具体的な姿の育ちの例

  • トイレのスリッパを並べる/朝の準備を自分でする 等のやるべきことに意欲をもって取り組めるようになる。
  • 片付けなどに、意味が分かって取り組めるようになる。
  • お部屋に神社を作りたいから大きな段ボールが欲しい!など、自分のやりたい事を見つけて目標に向かって工夫したり周りの協力を借りてやり遂げようとする。
  • 前回りが出来た事で自信を持ち、更に難しい逆上がりにトライしようとする。

この姿に繋がる育ちの例

  • 0・1歳:保育者とアタッチメントを形成して安心して自分から動き、環境に働きかけていく。
  • 2・3歳:お着替え等をなんでも自分でやってみようとする。その中で、結果ではなく頑張った過程を受け入れてもらう経験を通して自己肯定感が高まっていく。
  • 3・4歳:もっと高い塔を作りたい!もっと綺麗なケーキにしたい!等の目標をもって自分なりに工夫し粘り強く取り組んでいく。

③協同性

Photo by
Artem Kniaz

まずは指針の文言をチェックしましょう!

ウ 協同性

友達と関わる中で、互いの思いや考えなどを共有し、共通の目的の実現に向けて、考えたり、工夫したり、協力したりし、充実感をもってやり遂げるようになる。

・保育所保育指針(◆平成29年03月31日厚生労働省告示第117号) (mhlw.go.jp)

協同性について、指針や要領にはこのような記載がされています。

POINT

協同性の育ちを支えるポイントは以下の2点です。1つずつ細かくみていきましょう↓

  1. 友達と関わる中で、互いの思いや考えなどを共有する
    • 保育者との関わりの中で想いを伝えあう体験を通して、友だちと関わる事の面白さに気づいていきます。
    • 5歳くらいになると、相手の良さに耳を傾け、互いの良さを認め合う事が出来るようになってきます
    • 友達との関わり合いの中で、「友達と一緒に何かをつくったり、遊ぶ」ことが楽しくなる
    • 保育者は、子ども同士がァ変わり合える為の環境構成をしていく事が大切です。
  2. 共通の目標の実現に向けて、考えたり、工夫したり、協力したり、充実感をもってやり遂げるようになる。
    • 就学前ごろになると、遊びの中で友達と共通の目標に向かって協力し合う姿も見られるようになってきます。
    • 大切なのは、子ども達自身が共通の目標を決める事です。先生や大人から示された目標ではなく遊びを深める中で見出していく事が重要になってきます。
    • 自分たちで設定した目標だからこそ、達成時のよろこびも大きくなっていきます。保育者は子ども達の試行錯誤をしっかり見守り、状況に応じてヒントを提供するなどの援助をしていきましょう。
    • そしてこれらは、特別な活動を通して経験するのではなく、身近な環境に主体的に関わり、様々な活動を経験する中で少しずつ獲得していけるよう、援助する事が大切です。

幼児期の終わりに見られる具体的な姿の育ちの例

  • 例えば、家族ごっこや保育園ごっこの役決めなどで、自分のやりたい事を相手に伝えたり、相手の意見にも耳を傾ける事が出来る。そして、考えを共有していく。
  • これは○○君が詳しいから聞いてみよう!と協力を求めるなど、互いの良さを認め合いながら共通の目的に向かって郷里良くする
  • カプラで大きなかまくらをつくろう!と決めたら、最後まで目的に向かって友達と協力して作り上げ、うまく行った事を一緒に喜び合ったりする。

この姿に繋がる育ちの例

  • 0・1歳:保育者との応答的な関りの中で、興味や活動を広げていく。この時の活動の主軸になるのが、子どもの安心感です。
  • 2・3歳:周囲の子どもにも関心を持つ。隣で同じ絵本を広げてみたりと、同じ遊びをしようとしたりするが、時には思いが伝わらずトラブルになってしまう場面も増えてくる。
  • 3・4歳:気の合う友達と目的意識をもって遊べるようになってくる。

④道徳性・規範意識の芽生え

まずは指針の文言をチェックしましょう!

エ 道徳性・規範意識の芽生え

友達と様々な体験を重ねる中で、してよいことや悪いことが分かり、自分の行動を振り返ったり、友達の気持ちに共感したりし、相手の立場に立って行動するようになる。また、きまりを守る必要性が分かり、自分の気持ちを調整し、友達と折り合いを付けながら、きまりをつくったり、守ったりするようになる。

・保育所保育指針(◆平成29年03月31日厚生労働省告示第117号) (mhlw.go.jp)

道徳性・規範意識の芽生えについて、指針や要領にはこのような記載がされています。

POINT

道徳性・規範意識の芽生えの育ちを支えるポイントは以下の2点です。1つずつ細かくみていきましょう↓

  1. してよい事や悪い事が分かり、相手の構想を振り返ったり、友達の気持ちに共感したりし、相手の立場になって行動するようになる
    • この部分は主に道徳性について述べられている。道徳性とは、相手を思いやる事と言い換える事もできる。
    • 相手の気持ちを尊重する事で、行動の善悪の判断がつくようになってくる。
    • 友達と深く関わり、相手の嬉しい気持ちや、悲しい気持ちに気づいて共感していくという事を積み重ねる事によって、育まれていく態度です。
    • 保育者は、子どもに共感の目を向ける事が大切になってくる。自分が共感されたという経験をを土台に子ども達は、共感の態度を身に着けていく。
  2. 決まりを守る必要性が分かり、自分の気持ちを調整し、友達と折り合いをつけながら、決まりをつくったり守ったりする
    • この部分は、規範意識の芽生えについて述べられています。
    • 規範意識とは、生活上の細かなルールから、「友達を殴らない」等普遍的な決まりまで、多様な規範に沿って行動しようとする事を言います。
    • この規範意識に至る為には、自分だけでなく、他者も心地よく過ごせるためにはどうすればよいかという視点を子ども自身が持つことが必要不可欠となってくる。
    • 子ども達が恣意的(自己中心的)な姿を見せる事は、よくある事です。自我と相手への想いの間で葛藤するのが幼児期であり、恣意的な姿も当然あるものとして、保育士は、ゆったりと見守る余裕も大切になってきます。

幼児期の終わりに見られる具体的な姿の育ちの例

  • 例えば、友達に「かくれんぼをやろう!」と提案したのに周りの子が「今日は鬼ごっこをやりたい!」と言ったとき、他の友達を誘ったり、自分もかくれんぼに参加するという選択をする等して、友達との折り合いを上手につける事が出来る。
  • 友達や先生に自分の気持ちを受け止めてもらう事を繰り返していく中で、善悪を理解し、判断できるようになっていく。
  • 年下の子と一緒に遊ぶととき等に、みんながたのしめる ように工夫をしようとする姿が見られる。

この姿に繋がる育ちの例

  • 0・1歳:大人に自分の気持ちや思いを受け止め、共感してもらう。
  • 2歳 :自我が芽生えはじめ、主張が激しくなると、物を取り合ったりする。子ども達はその中で他人の存在に気づいていく。
  • 3歳:保育者が想いを受け止めてくれる経験を重ねる中で少しずつ、自分の気持ちに折り合いをつけられるようになっていく。
  • 4歳:気の合う友達が出来、相手に共感したり、思いやりのある行動がとれるようになっていく。

⑤社会生活との関わり

まずは指針の文言をチェックしましょう!

オ 社会生活との関わり

家族を大切にしようとする気持ちをもつとともに、地域の身近な人と触れ合う中で、人との様々な関わり方に気付き、相手の気持ちを考えて関わり、自分が役に立つ喜びを感じ、地域に親しみをもつようになる。また、保育所内外の様々な環境に関わる中で、遊びや生活に必要な情報を取り入れ、情報に基づき判断したり、情報を伝え合ったり、活用したりするなど、情報を役立てながら活動するようになるとともに、公共の施設を大切に利用するなどして、社会とのつながりなどを意識するようになる。

・保育所保育指針(◆平成29年03月31日厚生労働省告示第117号) (mhlw.go.jp)

社会生活との関わりについて、指針や要領にはこのような記載がされています。

POINT

社会生活との関わりの育ちを支えるポイントは以下の2点です。1つずつ細かくみていきましょう↓

  1. 人との様々な関わり方に気づき、相手の気持ちを考えて関わり、自分が役に立つ喜びを感じ、地域に親しみを持つようになる。
    • 子ども達は、保育者・友達・園全体・地域と、少しずつ人間関係の幅をひろげていく。
    • 温かい人間関係の中で「自分も誰かの役に立ちたい!」という想いが生まれてくる
    • 保育者は、子ども達が地域と関われる機会を設けてその時の子どもの心の動きをしっかりとキャッチしていく事が大切となります。
  2. 情報を役立てながら活動するようになるとともに、公共の施設を大切に利用する等して、社会とのつながりを意識するようになる
    • 5歳後半になってくると、子ども達の好奇心や探求心は、さらに高まってきます。
    • 今まで以上に様々な方法で知識や情報を得たりしていく姿が見られるでしょう。
    • 保育士は、写真や図鑑を保育室に環境としておいてみたり、時には社会見学の機会を持つ等して、地域や社会に興味や親しみを持てるように援助していきます。

幼児期の終わりに見られる具体的な姿の育ちの例

  • 地域の人々と触れ合ったり、地域の高齢者と触れ合ったりする中で相手の役に立ったりより、親しみを持ったりしていく。
  • バスや電車に乗る際に、「他のお客さんもいる」ことをしっかりと理解してマナーを守る事が出来る。
  • 公園の遊具等、公共の物を大切に扱う事が出来る
  • 本や図鑑、時にはTVなどから必要な情報を取り入れ、友達と共有したり活用したりするようになる。

この姿に繋がる育ちの例

  • 0・1歳:家族やクラスなど、身近な社会的集団の中で大切にされる経験を積む。
  • 2歳 :保育士や周囲の人に温かく見守られる経験を経て安心感を持ち始める
  • 3歳:地域の祭り等、伝統や文化に触れる機会を通して、社会とのつながりを意識し始める。
  • 4歳:地域と交流する中で、様々な人達が共に暮らしている事を知る。(職業や役割、個性など)

⑥思考力の芽生え

まずは指針の文言をチェックしましょう!

カ 思考力の芽生え

身近な事象に積極的に関わる中で、物の性質や仕組みなどを感じ取ったり、気付いたりし、考えたり、予想したり、工夫したりするなど、多様な関わりを楽しむようになる。また、友達の様々な考えに触れる中で、自分と異なる考えがあることに気付き、自ら判断したり、考え直したりするなど、新しい考えを生み出す喜びを味わいながら、自分の考えをよりよいものにするようになる。

・保育所保育指針(◆平成29年03月31日厚生労働省告示第117号) (mhlw.go.jp)

思考力の芽生えについて、指針や要領にはこのような記載がされています。

POINT

思考力の芽生えを支えるポイントは以下の2点です。1つずつ細かくみていきましょう↓

  1. 身近な事象に積極的に関わる中で、考えたり、予想したり、工夫したりするなど、多様な関りを楽しむようになる。
    • 5歳後半ごろになると子ども達は、物事の性質や仕組みに関心を持ち、あれこれ調べたり試したりしていきます。
    • 身近な環境と積極的に関わる心。つまり、科学の心が芽生えていく。
    • 保育者は、子ども達の探求心や好奇心を大切にしながら、安心して十分に試行錯誤の出来る環境を作ってあげる事が大切になってきます。
  2. 友達の様々な考えに触れる中で、自分と異なる考えがある事に気づき、自分の考えをより良いものとするようになる
    • 友達と関わる中で、自分とは違う考えに触れる。そうして自分の考えを振り返る事が出来るようになっていく。
    • 子ども同士で会話をし、考えを深めたり、新しい考えを一緒に生み出す事もできるようになってきます
    • 保育者は、子どもが他者の考えに気づき、そこから物事を多面的に考える楽しさを味わえるような言葉かけなどを行っていく事が大切になってくる。

幼児期の終わりに見られる具体的な姿の育ちの例

  • 身近な自然などに関わる中で、物の性質や仕組みき気づいたり、発見を楽しむようになる。例えば、園で育てているミニトマト。最初は緑色で、だんだん赤くなっていくという発見は私の園でも子ども達がは大変驚いていた!
  • また、水やりをせずにじゃがいもが枯れてしまった時には「植物が育つためには水が必要」だという事を発見した。
  • 調べたり、予想したり、工夫する等してよく考えるようになる。たとえば、泥団子作りは、予想と工夫と観察の繰り返しです。水の量や握る強さ等、こども達は、目の前の泥の塊を真剣に分析していきます。
  • 友達と話す中で、自分と異なる考えに触れる事で、新たな発見や発想が生まれたりする。

この姿に繋がる育ちの例

  • 0・1歳:保育者とのアタッチメントを土台にして、探索活動を活発に行う。
  • 2歳 :なぜなぜ期とも呼ばれる時期。身近な大人に様々な疑問を尋ねるようになる。
  • 3歳:自然等の身近なものに関心を持ち、自分なりに調べたり関連付けたりしながら遊ぶ。
  • 4歳:遊びの中で、自分たちで話し合ったり工夫する姿が多くなってくる。

⑦自然との関わり・生命尊重

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Jonathan Borba

まずは指針の文言をチェックしましょう!

キ 自然との関わり・生命尊重

自然に触れて感動する体験を通して、自然の変化などを感じ取り、好奇心や探究心をもって考え言葉などで表現しながら、身近な事象への関心が高まるとともに、自然への愛情や畏敬の念をもつようになる。また、身近な動植物に心を動かされる中で、生命の不思議さや尊さに気付き、身近な動植物への接し方を考え、命あるものとしていたわり、大切にする気持ちをもって関わるようになる。

・保育所保育指針(◆平成29年03月31日厚生労働省告示第117号) (mhlw.go.jp)

自然との関わり・生命尊重について、指針や要領にはこのような記載がされています。

POINT

自然との関わり・生命尊重の育ちを支えるポイントは以下の2点です。1つずつ細かくみていきましょう↓

  1. 自然の変化などを感じ取り、好奇心や探求心をもって考え、自分の言葉などで表現しながら、身近な事象への関心が高まる。
    • 自然の美しさや不思議さに触れる経験を重ねていくと、幼児期の終わりには自然の変化に自ら気づいたり、自然の不思議さを探求したり、遊びに取り入れる等していきます。
    • 保育者はその感動を共感していく事が大切になります。
    • また、子ども達の気づきをしっかりと受け止めて、探求したり表現したりしやすい環境や援助の工夫をしていきましょう。
  2. 身近な動植物に心を動かされる中で、生命の不思議さや尊さに気づき、命あるものとしていたわり、大切にする気持ちを持つ
    • 5歳後半になってくると、園で生き物を育ててみたり、草花などに触れたりする経験を通して、身近な動植物に愛着をもっていく
    • また、命のかけがえなさを感じ、大切にしようとする姿が見られるようになってくる 
    • 保育者は、子どもの心の動きを見守り、時に子どもの想いを言葉にしていきながら、命あるものをいたわる心を大事に育んでいくことを目指していきたい。

幼児期の終わりに見られる具体的な姿の育ちの例

  • 泥団子を作る際に、さらさらの砂をかけたらよりピカピカになる事に気づいたりする
  • 身近な自然現象に関わり、好奇心や探求心を持つ。また、そのことを考えたり、言葉を使って表現したりする。
  • 自分たちで育てた野菜が実をつけた時、野菜に愛情や親しみを持って大切に食べていた。
  • カブトムシを飼い始めた時は、はじめは珍しそうにかごを揺らしたり叩いたりしていた子も次第に、寝てるのに起こしたらかわいそうだと言い、大切に扱うようになった
  • このように身近な動植物への接し方を考え、命あるものとしていたわり、大切にする気持ちをもって関わるようになる。

この姿に繋がる育ちの例

  • 0・1歳:保育者とのお散歩や外遊びの中で、「風が気持ちいね」などの会話や自然と触れ合う経験を通して自然の存在に気づき始める。
  • 2歳 :身近な植物や生き物に気づき、親しみをもって接する。
  • 3歳:身の回りの自然に関心を持ったり、不思議さを感じたりして、自分なりに遊びに取り入れていく。

⑧数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚

まずは指針の文言をチェックしましょう!

ク 数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚

遊びや生活の中で、数量や図形、標識や文字などに親しむ体験を重ねたり、標識や文字の役割に気付いたりし、自らの必要感に基づきこれらを活用し、興味や関心、感覚をもつようになる。

・保育所保育指針(◆平成29年03月31日厚生労働省告示第117号) (mhlw.go.jp)

数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚について、指針や要領にはこのような記載がされています。

POINT

数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚の育ちを支えるポイントは以下の2点です。1つずつ細かくみていきましょう↓

  1. 遊びや生活の中で、数量や図形、標識や文字などに親しむ体験を重ねたり、標識や文字の役割に気付いたりする
    • 園で、自分のマークがあるところに持ち物を置く等、毎日の生活や遊びの中で数量や図形、標識や文字に触れる事で、自然とその役割に気付いていく。
    • 文字や図形に触れる経験が積み重なって、幼児期の終わりごろには更に関心を深めていく。
    • 保育者は、子どもがそれらに出会う時の心の動きをしっかりと捉えていく事が大切となる。
  2. 自らの必要感に基づきこれらを活用し、興味や関心、感覚をもつようになる
    • 幼児期後半になると、友達と遊ぶ中で、量を比べたり、相手に何かを伝えようとするなど、必要に迫られて数量や文字などを使おうとするようになる。
    • こうして、数量の感覚や文字などへの興味が増していく。 
    • 保育者は、さらに正しい知識を教えようとするのではなく、子どもがこれらに触れる体験を重ねられるように環境を工夫していきたい。

幼児期の終わりに見られる具体的な姿の育ちの例

  • 例えば、1月の年賀状時期に、先生に手紙を書く等の遊びを通して、図形や文字に親しむ体験を重ねていく。
  • 公園のトイレに入る際、標識をみて、自分がどちらのトイレに入ればよいのか判断するなど、標識や文字が持つ社会的役割に気付いていく。
  • 自分たちで育てた野菜が実をつけた時、野菜に愛情や親しみを持って大切に食べていた。
  • 自らの必要感に基づいて、数量や図形、標識や文字などを活用していく。例えば、友達と何かを分け合うときに、しっかりと数を数えて半分にするなど。

この姿に繋がる育ちの例

  • 0・1歳:自分のシンボルマークがあるなど、標識が意味しているものや役割を少しずつ認識し始める。
  • 2歳 :積み木などの玩具で遊ぶ中で図形の性質に気づき、遊びを広げたり工夫したりする。例えば、積み木が崩れないように高く積む為に、次に積む積み木のカタチを選択するのも図形の性質に気づき始めている姿です。
  • 3・4歳:文字に興味を持ち、文字のカタチで友達や自分の名前が分かるようになったり絵本やカルタの文字を読もうとする。

⑨言葉による伝え合い

まずは指針の文言をチェックしましょう!

ケ 言葉による伝え合い

保育士等や友達と心を通わせる中で、絵本や物語などに親しみながら、豊かな言葉や表現を身に付け、経験したことや考えたことなどを言葉で伝えたり、相手の話を注意して聞いたりし、言葉による伝え合いを楽しむようになる。

・保育所保育指針(◆平成29年03月31日厚生労働省告示第117号) (mhlw.go.jp)

言葉による伝え合いについて、指針や要領にはこのような記載がされています。

POINT

言葉による伝え合いを支えるポイントは以下の2点です。1つずつ細かくみていきましょう↓

  1. 保育者や友達と心を通わせる中で、絵本や物語などに親しみながら、豊かな言葉や表現を身に着ける
    • 子どもは、自分を受け止めてくれる相手に想いを伝えようとして話しはじめ、次に、相手の想いも知りたくなって、相手の話を聞こうとするようになる。
    • 身近な大人とのやりとりを通して言葉を少しずつ、身に着けていく
    • 絵本や物語の読み聞かせは、子ども達が話に心を躍らせて聞く事に集中し、新たな言葉や表現に出会える活動に触れる機会を多く持てるように配慮していきたい。
  2. 自らの必要感に基づきこれらを活用し、興味や関心、感覚をもつようになる
    • 幼児期後半になると、友達との関係が深まる中で、心動かされる体験を相手に伝えたい思いがより強くなる。
    • 5歳後半ごろには、クラス全体で1人ひとりの想いを聞き合ったり、意見を交わして何かを決める事が出来るようになっていく。
    • 保育者は時に言葉を補ったり、話を振ったりする事で、子ども達が互いに伝え合う喜びを感じられるように援助していきましょう。(明石家さんまさんのような名司会者になったつもりで、みんなが気持ちよく発言できるようにしていこう!笑)

幼児期の終わりに見られる具体的な姿の育ちの例

  • 絵本や物語に親しみながら、豊かな言葉や表現を身に着けていく。
  • 例えばオノマトペによる表現が豊かになるなどの姿が見られるようになっていく。
  • 経験した事や考えたことなどを相手に言葉でしっかり伝える事が出来る
  • 相手の話を注意してい聞いたりして、言葉による伝え合いを楽しむ
  • 伝える相手の状況に応じて表現の仕方をかえて、相手が分かるように工夫して伝える。
  • 年下の子と話す時には、ゆっくり分かりやすく話す等の姿が見られる

この姿に繋がる育ちの例

  • 0・1歳:身近な人の受容的、応答的な関りを通じて信頼感が芽生えて気持ちが通じ合う事の心地よさや安心感を感じていく。
  • 2歳 :自分の想いを言葉で相手に伝えようとし、それを身近な大人などに受け止めてもらう事で、話す意欲が増していく。「先生みてみて!これね、、」と話してくれる時には「そうか○○だったんだね」と言語化して気持ちを受け止めていく事が大切になる
  • 3・4歳:親しい友達と遊ぶ中で、少人数であれば、相手の話を聞き、自分の想いを言葉で表現するようになる。例えば、遊び方を友達に言葉で伝えたりする。

⑩豊かな感性と表現

まずは指針の文言をチェックしましょう!

コ 豊かな感性と表現

心を動かす出来事などに触れ感性を働かせる中で、様々な素材の特徴や表現の仕方などに気付き、感じたことや考えたことを自分で表現したり、友達同士で表現する過程を楽しんだりし、表現する喜びを味わい、意欲をもつようになる。

・保育所保育指針(◆平成29年03月31日厚生労働省告示第117号) (mhlw.go.jp)

豊かな感性と表現について、指針や要領にはこのような記載がされています。

POINT

豊かな感性と表現の育ちを支えるポイントは以下の2点です。1つずつ細かくみていきましょう↓

  1. 心を動かす出来事などに触れ感性を働かせる
    • 「綺麗だな」「美しいな」「素敵だな」と心を動かされ、何かを感じ取る力が感性である。
    • 豊かな感性を育てるためには、喜んだり、驚いたりと、様々な感情を呼び起こす体験や出会いを重ねる事が大切になってくる
    • 感性が豊かになると、感性で受け止めたものを表現したいと思うようになってくる。
    • 保育者は、自信が感性を豊かにしていく事が大切となる。そうする事で感動をしっかり共有していきたい。
  2. 様々な素材の特徴や表現の仕方などに基づき、感じた事や考えた事を自分で表現したり、友達同士で表現する過程を楽しんだりし、表現する喜びを味わう
    • 心を動かされ、何かを表現したくなると、子どもは想像を働かせながら様々な方法で感じた事を表現しようとする。
    • 保育者は、表現する事が子どもの喜びに繋がるように作品よりも、作品を作るプロセスを大切にしていきたい。
    • 5歳後半になると、友達と一緒に工夫して表現しようとする姿も見られるようになってくる。
    • 保育者は、適切な環境構成をしつつ一緒に表現する楽しさを共有し、意欲を高めていく事が大切となる。

幼児期の終わりに見られる具体的な姿の育ちの例

  • 保育者や友達に受け止めてもらいながら、自分なりに表現する事の喜びを味わって意欲を持てるようにする。例えば、劇遊びなどで衣装やセリフ、動きを自分なりに表現するなどの遊びを楽しむようになる。
  • 花火を表現したいから、スクラッチの技法を使ってみようなど、様々な方法や素材から必要なものをえらんで表現する事が出来る。
  • 共通の目標に向かって、1つの作品を作るなどの姿が見られる。この為には、イメージの共有が必要となる。保育者は、場合によってイメージの共有を手助けする等の援助が必要となってくる。

この姿に繋がる育ちの例

  • 0・1歳:保育者などの身近な大人とわらべ歌を楽しんだり、ふれあい遊びをする等して、心地よさを感じ、自ら表現しようとする。
  • 2歳 :体の感覚を使い、面白い体験を積み重ねる中で、物の不思議さや面白さに心動かされる。また、その感動を誰かと共有する。例えば、秋になると葉が色づく事に気づき、美しい葉を 使って何かを表現したりする。
  • 3・4歳:身近な環境と関わる中で、自分の感情や体験を自分なりに表現する充実感を味わう。この時期になると、TVで見たものやダンスなども保育園で衣装を作ったりして表現したりしますね。

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