こんにちは。せや先生です。今回は0歳~6歳までの、大まかな発達を確認していきたいと思います。
前提として子どもの発達とは、個人差のあるものです。今回紹介する目安に合わない子も多いと思いますし、それで良いと私は思います。多様な発達は認められるべきです。しかし、だからといって発達を学ばなくて良いわけではないと私はおもいます。
おおよその発達段階を理解して頭に入れておくことで、発達の最近接領域をとらえやすくなるメリットもありますし、実習で初めて会う子どもたちと接したり、部分保育を計画する際の大きなヒントにもなりますので、特に学生の皆さんもここできちんと学んでおきましょう。
参考文献について
今回は、改定前の保育所保育指針を参考に記事を書いていきたいと思います。
なぜ改定前の指針を?と思った方もいらっしゃると思いますが、
発達をとらえる上では、旧指針が非常に分かりやすいので今回採用しました。改定前の指針には第2章に「子どもの発達」という章を設け、子どもの発達を細かく記しています。平成29年告示の保育指針からは、年齢ごとの発達が詳しく記載されている訳ではありません。
この改定は非常に画期的だと私は思います。
もちろん現場のことを考えると、新指針のほうが運用しやすいです。なので今回の改訂に、私は大いに賛成ですし、指針の構成にも文句はありません。しかし、学生の皆さんが子供の姿をイメージしたりその発達を学ぶ教材としては旧指針の方がわかりやすいと判断した為、今回は旧指針を参考文献として採用いたしました。この点はご理解いただけますと幸いです。
序章ー本編を読む前にー
子どもの発達過程は、おおむね次に示す八つの区分としてとらえ
られる。ただし、この区分は、同年齢の子どもの均一的な発達の
基準ではなく、一人一人の子どもの発達過程としてとらえるべき
ものである。また、様々な条件により、子どもに発達上の課題や
保育所の生活になじみにくいなどの状態が見られても、保育士等
は、子ども自身の力を十分に認め、一人一人の発達過程や心身の
状態に応じた適切な援助及び環境構成を行うことが重要である。
これは改定前の保育指針からの引用した文です。これから発達過程を学ぶ皆さんはぜひこの前提に立ち返りながら学んでいただけたらと思います。
前置きが長くなりました。それでは早速、子どもの発達を旧指針を参考に確認していきたいと思います。
おおむね6か月未満
誕生後、母体内から外界への急激な環境の変化に適応し、著しい発達がみられる。首がすわり、手足の動きが活発になり、その後、寝返り、腹ばいなど全身の動きが活発になる。視覚、聴覚などの感覚も発達はめざましく、泣く、笑うなどの表情の変化や体の動き、喃語などで自分の欲求を表現し、これに応答的に関わる特定の大人との間に情緒的な絆が形成される。
保育所保育指針解説 序章 (mhlw.go.jp)
おおむね6か月から1歳3か月未満
座る、はう、立つ、つたい歩きといった運動機能が発達すること、及び腕や手先を意図的に動かせるようになることにより、周囲の人やものに興味を示し、探索活動が活発になる。特定の大人との応答的な関わりにより、情緒的な絆が深まり、あやしてもらうと喜ぶなどやりとりが盛んになる一方で、人見知りをするようになる。また、身近な大人との関係の中で、自分の意志や欲求を身振りなどで伝えようとし、大人から自分に向けられた気持ちや簡単な言葉が分かるようになる。食事は離乳食から幼児食へ徐々に移行する。
保育所保育指針解説 序章 (mhlw.go.jp)
おおむね1歳3か月から2歳未満
歩き始め、手を使い、言葉を話すようになることにより身近な人や身の回りの物に自発的に働きかけていく。歩く、押す、つまむ、めくるなど様々な運動機能の発達や新しい行動の獲得により、新しい環境に働きかける意欲を一層高める。その中で、ものをやり取りしたり、取り合ったりする姿が見られるとともに、玩具等を実物に見立てるなどの象徴機能が発達し、人やものとの関わりが強まる。また、大人のいうことが分かるようになり、自分の意志を親しい大人に伝えたいという欲求が高まる。指差し、身振り、片言などを盛んに使うようになり、二語文を話し始める。
保育所保育指針解説 序章 (mhlw.go.jp)
おおむね2歳
歩く、走る、跳ぶなどの基本的な運動機能や、指先の機能が発達する。それに伴い、食事、衣類の着脱などの身の回りのことを自分でしようとする。また、排せつの自立のための身体的機能も備わってくる。発声が明瞭になり、語彙も著しく増加し、自分の意志や欲求を言葉で表現できるようになる。行動範囲が広がり探索活動が盛んになる中、自我の育ちの現れとして強く自己主張する姿が見られる。盛んに模倣し、物事の間の共通点を見出すようにできるようになるとともに、象徴機能の発達により、大人と一緒に簡単なごっこ遊びを楽しむようになる。
保育所保育指針解説 序章 (mhlw.go.jp)
おおむね3歳
基本的な運動機能が伸び、それに伴い、食事、排せつ、衣類の着脱などもほぼ自分で出来るようになる。話し言葉の基礎が出来て、盛んに質問するなど知的興味や好奇心が高まる。自我がよりはっきりしてくるとともに、友達との関わりが多くなるが実際には、同じ場所で同じような遊びをそれぞれが楽しんでいる平行遊びである事が多い。大人の行動や日常生活において経験したことをごっこ遊びに取り入れたり、象徴機能や観察力を発揮して、遊びの内容に発展性が見られるようになる。予想や意図、期待を持って行動出来るようになる。
保育所保育指針解説 序章 (mhlw.go.jp)
おおむね4歳
全身のバランスをとる能力が発達し、体の動きが巧みになる。自然などの身近な環境に積極的に関わり、様々な物の特性を知り、それらとの関わり方や遊び方を体得していく。想像力が豊かになり、目的を持って行動し、作ったり、かいたり、試したりするようになるが、自分の行動やその結果を予測して不安になる等の葛藤も経験する。仲間とのつながりが強くなる中で、けんかも増えてくる。その一方で、決まりの大切さに気付き、守ろうとするようになる。感情が豊になり、身近な人の気持ちを察し、少しずつ自分の気持ちを抑えられたり我慢できるようになってくる。
保育所保育指針解説 序章 (mhlw.go.jp
おおむね5歳
基本的な生活習慣が身に付き、運動機能はますます伸び、喜んで運動遊びをしたり、仲間とともに活発に遊ぶ。言葉により共通のイメージを持って遊んだり、目的に向かって集団で行動する事が増える。さらに、遊びを発展させ、楽しむために、自分たちで決まりを作ったりする。また、自分なりに考えて判断したり、批判する力が生まれ、けんかを自分たちで解決しようとするなど、お互いに相手を許したり、異なる思いや考えを認めたりといった社会生活に必要な力を身につけていく。他人の役に立つことを嬉しく感じたりして、仲間の中の1人としての自覚が生まれる。
保育所保育指針解説 序章 (mhlw.go.jp)
おおむね6歳
全身運動が滑らかで巧みになり、快活に跳び回るようになる。これまでの経験から、自身や予想や見通しを立てる力が育ち、心身ともに力があふれ、意欲が旺盛になる。仲間の意志を大切にしようとし、役割の分担が生まれるような協同遊びやごっこ遊びを行い、満足するまで取り組もうとする。様々な知識や経験を活かし、創意工夫を重ね、遊びを発展させる。思考力や認識力も高まり、自然事象や社会事象、文字などへの興味や関心も深まっていく。身近な大人に甘え、気持ちを休める事もあるが、様々な経験を通して自立心が一層高まっていく。
保育所保育指針解説 序章 (mhlw.go.jp)
まとめ
このように大まかな子どもの発達過程を知っておく事で、子どもたちがどのように成長していくのかが分かります。もちろん、子どもの発達には個人差があり、すべての子どもにこの目安が当てはまる訳ではありません。
この目安は日々の保育に活かしていくというよりも、学生さんが勉強する場面だったり、指導案を考える際に参考にする程度が良いと思います。自分の中でそこはしっかりバランスをとっていきましょう。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。皆さんの勉強の参考に少しでもなればうれしいです。
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