3歳~6歳の認知発達、特徴4選!!

保育に役立つ心理学

こんにちは、せや先生です。

子どもって3歳を過ぎたころから就学前にかけて、物凄い勢いで認知発達思考の発達、物事の概念化が進んでいきますよね。

その成長のスピードに関して現場で働く私たち先生も、身近に肌で感じている訳ですから本当に驚かされっぱなしです!笑

という事で今回は3歳から就学前までの認知の大きな成長についてその特徴をまとめてみたいと思います。

大まかな認知発達を知っておくことで、それに対するアプローチを考える事が出来ます。ぜひ最後まで見ていって下さい。

実行機能の発達

3歳から就学前にかけて実行機能が大きく成長します。

実行機能は、複雑な課題の遂行のために課題のルールを守ったり、思考や行動を制御する認知システムです。

実行機能が発達すると、自制心が育まれ行動面だけでなく、感情をコントロールする力なども身についてきます。

実行機能の発達を知るために知っておきたい、こんな実験があります。

子どもにはある遊びをしてもらいます。ルールは以下の3つです。

①「色」と「形」の2つの条件に分けられたカードがあります。

②色カテゴリーは「緑」「白」、形カテゴリーは「車」「花」の計4種類です。

③実験者は対象者に「白のカードが出たらこっち、緑のカードがでたらこっちの箱に入れてください」または、「車のカードがでたらこっちの箱、花のカードが出たらこっちの箱に入れてください」と指示します。

複雑なルールのある遊びですが、ある研究者による研究では

3歳は25%の正答率

4歳では、69%の正答率

5歳では83%の正答率

であったそうです。

同時に2つの情報が出された時3歳ではもう一方の情報に惑わされてしまう姿がありますが、5歳になると惑わされなくなっていきます。

これは、実行機能が発達しているためです。

遊びが大きく発展する

実行機能の発達に伴って遊びも大きく発展していきます。ルールのある遊びを友達と楽しめるようになったり、分かりやすいところでいうと、「だるまさんが転んだ」が出来るようになります。

短気記憶・作業記憶の発達

短期記憶や作業記憶も3歳から就学前にかけて著しく成長していきます。

子どもの短期記憶を知る為に保育現場では、よく「数を数える」姿を観察します。

例えば、個人差はありますが、3歳児さんでは3までの数を順に覚えて言える。4歳児さんでは、4までの数を順に覚えて言える。というのが1つの目安になっています。

また、逆唱では、5歳さんで「3,2,1」と3つの数が言えるといわれています。

順唱と逆唱

順唱(1,2,3と順に数を記憶していう)では話の内容を簡単に記憶しておく力である聴覚的短期記憶の容量を測定できます。

逆唱(3,2,1と覚えた数を逆からいう)が出来る為には聴覚的短期記憶だけでなく作業記憶の関与が不可欠となります。

作業記憶=ワーキングメモリと言ったほうがピンとくる方もいるかも知れませんね。これは、短い時間の間に心の中に情報を保持し、同時に処理する能力を指します。

つまり、逆唱を達成するためにはいったん覚えた情報をもとに、知的操作を行う能力が必要という事になります。こう考えてみると意外と複雑な事をしている事が分かりますね。

この事を踏まえて生活の場面を見てみましょう↓

短期記憶、作業記憶と大人の指示

例えば、「今から、粘土を片付けて手を洗ってください。それが終わったら給食を食べるので、バックからお弁当をだして席に座ってください」と指示したとします。

子どもは一度に4つの指示を記憶し、行動に移さなければなりません。さらに、行動を行っている間も次の行動を記憶し続けておく必要があります。

個人差を前提とすれば、当然出来てしまう子どもがいるかも知れませんが困難な子どももいます。

困難な理由としては、まさに今学んだ通り短期記憶や作業記憶の未発達が関係している可能性がありますので「この子は指示が通らない・話が聞けない」と決めつけてしまわない事が大切です。

子どものレベルに合わせて、指示は1~2つにとどめる工夫も試してみる価値がありそうです。

展望記憶の発達

展望記憶とはこれから(未来に)やろうとしている事の記憶を言います。例えば「30分たったら(長い針がここにきたら)スイッチを押してね」と課題を記憶にとどめておき、実行できるかの実験をした場合、4~5歳児に比べ、明らかに7歳児さんの方が成績がよいことが知られています。

4~5歳では記憶に残っていたとしても、促されないと出来ない場合が多いですが、就学前から7歳ごろにかけてこの辺りの力は大きく成長していきます。

図形を模写するスキルの発達

当然ですが描画に対して、幼児が認知できる内容と、模写をして表現された内容にはズレがあります。

6さいごろになると、〇、×、□、△、◇の5種類の図形を正しくかけるようになります。

まとめ

3歳ごろから6歳ごろにかけて認知は大きく成長します。

代表的なものでは

  • 実行機能
  • 短期記憶
  • 作業記憶
  • 展望記憶
  • 図形描画

などがあげられましたね。これらの認知発達は3歳ごろから就学前にかけて本当に大きく成長していくので、支援者はこの事も頭に入れておきたいですね。また、実習生さんもこのような視点で各クラスのちがいを見てみると面白いかも知れません。

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