初心にかえり、愛着形成の必要性を再認識しよう!

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こんにちは。せや先生です。本記事を執筆しているのは3月。保育士さんは年度末の忙しい時期ですね。私もバタバタとしていますが、新年度になる前にどうしても初心にかえって確認しておきたい事がありましたので、ここに記していこうと思います。

基本的な事こそ、何度も確認する事が大切だと思うので是非最後まで見て頂ければと思います。

という事で本日は心理学の視点から「愛着形成」をテーマに執筆していきます。また、私自身の考えもここで整理してみたいと思います。

本記事に登場するキーワードは、愛着の形成・情動調律・基本的信頼感・安全基地です。

なんだっけ?それ。。。と忘れてしまった方も是非最後まで見ていってくださいね♪

すべては愛着形成から始まる。

まずは、なぜ保育士さんが子どもと直接関わる必要があるのか。これを確認していきたいと思います。

極論ですが完璧に安全かつ、教育的な配慮が十分に整った部屋に子どもを置いて、人工知能を搭載したロボットが食事や排せつのお世話をすれば、保育士不足も解消されるとおもいませんか?

しかし、そんな事はできませんよね。それはなぜでしょう?説明できますか?

様々な理由があげられると思いますが大きな理由の1つは、子どもが愛着を形成する相手がいない事にあります。

愛着の形成は、生活だけではなく、人格の形成や遊びにも大きな影響を与えます。

つまり愛着の形成は、子どものすべての活動の土台ともいえます。

この為、保育室には愛着形成の対象となる保育士の存在が必要なのです。

この事からも分かるように子どもにとって大人という存在は、単にお世話をしてくれる人というだけではありません。繰り返しになりますが、近くに信頼できる大人がいる事は、子どもにとってすべての活動の土台であり、必須条件なのです。

なぜ、AIと愛着を形成する事が出来ないのか。

100%愛着の形成が可能な人工知能が開発されれば、この世から愛着障害もなくなります。これは世紀の大発明になるでしょう。しかし、今のところそのようなものは開発されていません。

愛着形成は対人で行う必要があります。

その理由は、愛着形成の対象がほとんどの場合、お腹が空いた時にミルクを与えてくれて、泣いているときは優しくあやしたり、おむつを替えてくれたりと、不安感や不快感を取り除き、安心感や安全感を与えてくれる身近な大人だからです。

また、赤ちゃんが泣いたり、笑ったりする時には、大人がその反応をしっかり受け止めて子どもの気持ちに寄り添い、応答する事で、形成された愛着を安定したものにしていきます。

このような赤ちゃんの情動に保護者や養育者が合わせようとする働きを情動調律じょうどうちょうりつと言います。

大人は子どもの情動(心の動き、喜怒哀楽)をくんだうえで、安定した気持ちで関わる必要があります。このような関り(=情動調律)の繰り返しは、子どもの欲求を満たし基本的信頼感の形成へとつながっていくのです。情動調律は、大人と赤ちゃんの両者の気持ちを合わせていく事を指しますので、情動のないAIには不可能なのです。

信頼できる大人の存在は子どもにとっての安全基地となる

ここまでしっかり読んで頂いた方は、信頼できる身近なおとなの存在が子どもの発達にとって不可欠なものである事が改めて理解で来たと思います。

基本的信頼感を形成する事は、アメリカの発達心理学者のエリクソンが人生初期の大切な課題として設定しているものです。

基本的信頼感がしっかり形成される事は、「自分は愛されている」「大切にされている」「生きていく価値がある」と信じる事へとつながっていきます。

それは、自分が愛される価値のある人間であると知る事であり、同時に社会に対する信頼・人間に対する信頼となります。

そして何より、基本的信頼感を形成した大人は子どもの安全基地となります。子どもは新しい環境などを積極的に探索したり、知らない環境に積極的に関わろうとします。しかしそれは、子どもにとっての安全基地がある事が前提となります。

子どもは安全基地となる大人の存在がある事で安心して新しい環境を探索します。

時々大人の方を振り返りながら、大人と自分との距離を測るようにして遊ぶ姿が見られるのはこの為ですね。

保育士も安全基地になれる

親ではない保育士も子どもの安全基地となる事は十分に可能です。

確かに保育士は、保護者のように第一愛着対象者ではありませんが、子どもは1人以上の大人との間にも、基本的信頼感や愛着の形成が出来る事がすでに分かっています。

保育者は子どもにとっての安全基地となれるように「怖かったね」「楽しいね」「よしよし」「お腹すいたね」などと共感を示す事がなにより大切となります。

また、その際には言葉によるコミュニケーションだけではなくしっかり目をみて微笑みながらゆったりとした雰囲気の中でそのような関りを行う事が大切となります。

まとめ

  1. 愛着の形成は、こどもにとってすべての活動の土台となる
  2. 情動調律のくりかえしは、基本的信頼感の基礎となる
  3. 基本的信頼感は、人生最初の大切な課題である
  4. 基本的信頼感を形成した大人は子どもの安全基地となる
  5. 保育士も共感をしっかり示す事で安全基地となれる。

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