今回は、心理学の視点から『学び』を分解していきたいと思います。
- 心理学における学びの位置づけ
- そもそも学習とはどのような脳のメカニズムで行われるのか
といった学びの理論をしっかり知っておく事はきっと現場での実践にも役に立つと思います。少し専門的なテーマになりますが全3回に分けてお話していくので一緒にゆっくり学んでいきましょう♪
学びを定義する
学びとは何か?先生方に聞くと、本当に色々な答えが返ってきます。「安全に失敗を経験する事が学びである」と答えた先生もいらっしゃいました。痺れる回答ですよね!個人的には大好きな考え方です(笑
では、心理学の視点でも見てみましょう。心理学には「学習心理学」という分野がありますね。学習心理学の「学習」とは学校の勉強を指す言葉ではありません。
少し簡単に言うと、学習心理学における学びとはどのような場面でどんな行動をとる事が適切なのかを身に着けていく事であると言えます。
まず、この事を今回の学びの定義として共有したうえで、いよいよ本題に入っていきましょう。
学習の2つタイプ
学びには大きく2つのタイプがあります。
1つ目は、知識による学び。
2つ目は、体験による学び
です。
知識による学び
知識による学びは、身近な大人から直接的に教えてもらう事による学びです。また、小学校以降では、図鑑や本などから知識を得る事もあります。
知識による学びでは実際に見たり体験出来ない事でも、効率的に疑似体験したり、知ったりする事が出来ます。
また、けがをしたり失敗のリスクがない事も大きな特徴です。
体験による学び
体験による学びは、生活をする中で、自ら解決すべき問題に出会い試行錯誤していくそのプロセスを通して自分なりの知見を得たり、考えを深めていく方法です。
非効率的に思える方法ですが、能動的で主体的な学びを展開する事が出来ます。
失敗をしたりする事もありますが、体験によって得られた知識は忘れにくく汎用性も高いです。
どちらがいいの?
「知識による学び」と「体験による学び」はどちらが良いのか?という論争を見かける事もありますが、これは学び方に優劣をつけるような議題ではありません。
どちらの学びも子どもの成長にとって欠かせません。両者が常に連動しながら行われることによって学びの質が高くなります。
体験もやりっぱしでは意味がありません。再現をしたり、知識として再確認する事で本当の学びとして身に付きます
さぁここまで学びを定義化し、人が何かを学ぶときの2つの方法について改めて確認してきました。
いよいよ次の章から、学びの理論について解説していきます。お楽しみに~