【ピアジェの認知発達理論】各段階の特徴まとめ

保育に役立つ心理学

今回はピアジェの発達段階の4ステージである、【感覚運動機、前操作期、具体的操作期、形式的操作期】について徹底解説していきます!!

認知発達

認知とは、ある事柄に対してそれを知覚し、解釈や判断を行う過程の事をいいます。

ピアジェはこの認知の発達を4つの段階に分けて考えました。それが、冒頭に述べた4つの時期です。

以下に詳しくみていきましょう

1.感覚運動期

赤ちゃんの表情のイラスト(男・笑顔)

年齢でいうと、0歳~約2歳ごろまでを言います。

特徴① 感覚と運動

この時期の子どもは、感覚(触覚や視覚など)によってとらえた物事に対して運動で反応することによって環境に適応し、発達していきます。

反射などもこの部類ですね。たとえば0歳の子どもの手の平にそっと何かを置くとぎゅっと握る把握反射というものがありますが、これも感覚によってとらえた物事に運動で反応する例の1つです。

特徴② 物の永続性の獲得

この時期の子どもの大きな認知発達の1つはやはり、物の永続性が理解できるようになる事です。

7~9か月ごろになると、毛布の下や箱の中に何かを隠したとしても隠す場面を見ていればちゃんと見つけられるようになります。

これは実際には見えていなくても、物が存在し続けている事を理解する能力を獲得している事を意味しています。

特徴③ 象徴機能の獲得

象徴機能とは、見立てる力の事です。

今、そこにある物を何か別の物に見立てる力がこの象徴機能です。例えば、四角形の積み木を車に見立てて走らせるなどの遊びも、この象徴機能が発達していないと出来ない遊びです。

象徴機能の獲得は、感覚運動期の終わりを示す目安になるものでもある大切なものになります。

特徴④ 遅延模倣の獲得

遅延模倣は、象徴機能を持ち始めている事を確認できる1つの姿となります。

遅延模倣とは、一度見聞きした経験をイメージとしてい臆して、しばらく時間を置いた後でお手本なしで再現する遊びの事を言います。

保育園で、自発的にお手本なしでお母さんやお父さんの真似をする遊びはこの遅延模倣に当たります。

2.前操作期

ダンスをする幼稚園児のイラスト

年齢でいうと、約2歳~7・8歳までを言います。

特徴① 象徴機能の発達

この時期の子どもは、感覚運動期で獲得した象徴機能が更に発達していきます。

象徴機能の発達が進むと、身近な他者(保護者や保育園の先生など)の真似をするごっこ遊びに没頭し始めます。

もちろん、テレビやYOUTUBEで見たキャラクターや人物の真似をする姿も見られますね!

特徴② 自己中な姿

主に3~4歳くらいの子どもに見られるのが自己中心性です。

自己中心性とは例えば、子どもが他の人の視点に立つことが出来ない為に、他の人が自分と同じ出来事を経験し、同じ感情をもっていると考える子ども特有の考え方事を言います。

そのような思考から抜け出す(脱中心化)事が始まる7歳くらいの時期が次の操作期への移行期間だと言われています。

特徴③ アニミズム

この時期に特徴的な思考は自己中心性だけではありません。

アニミズムという思考があります。これは、無生物や命の無いものにも、人間と同じように命や考え、感情があると考える思考です。

例えば、「乱暴に扱ったら、玩具が痛いって泣くよ?」という言葉掛けが響くのはアニミズムの思考を獲得しているからこそなのです。

(※ちなみにアニミズムには、人工論と実在論があります。また、需要があれば解説していきます)

3.具体的操作期

やる気のある小学生のイラスト

年齢でいうと、7・8歳~11・12歳頃までを言います。

特徴① 論理的になる

この時期の子どもは、目に見える具体的なものについて、論理的に操作できるようになっていきます。

ただし、現実にないもの(記号など)はまだ論理的に操作するのは難しいです💦

特徴② 保存の概念を獲得する

論理的な操作の代表が、保存の概念の獲得です。

例えば、水を大きな容器から小さな容器に移したとしても、水の量は変わりませんね。

見た目が変わっても、足したり引いたりしなければ数・量・重さは変わらない。この事が分かるようになっていきます。これを保存の概念の獲得と言います。

特徴③ 3つの山の課題が分かる

有名な3つの山の課題というものがあります。

この時期の子どもは対象の物が他の場所からどう見えるかを答える事が出来るようになっていきます。

4.形式的操作期

やる気のある中学生・高校生のイラスト

年齢でいうと、11・12歳~それ以上の人です。

特徴①抽象的思考の獲得

この時期の子どもは物の内容と形式を区別して、具体的なものだけではなく、仮定や想定の議論が出来るようになります。

【もし~ならば~だ!】という仮定に基づいて思考する事もできるようになります!

まとめ

いかがでしたか?ピアジェは、【子どもは能動的に外の世界に働きかける事によって認知を発達させる】という風に説明して4つの段階を示しています。

少し慣れない言葉が多く出てきて覚えるのに苦労している学生さんも多いこの分類ですが、要は感覚と運動が中心の赤ちゃんが、少しづつ複雑な思考を獲得するという流れを分かりやすく説明してくれているんですね。

認知発達をこのくらいざっくりと長い目で見通しをもって見る事で、子育てや保育にゆとりを持てるようにもなってきます。

少し目の前の子どもの姿に没頭してしまってイライラする事が増えてきたら、またゆったり認知発達の4段階を眺めながら「そっか、今はこういう時期か」と客観的に分析してみても良いかも知れませんね。

分かりにくくて苦手!という学生さんも多いですが、ピアジェさんは子どもと関わる私たちの見方ですよ。(笑)

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