【人生の8つのステージ!】エリクソンの発達理論

保育に役立つ心理学

発達の段階説に立つ理論は多くありますが、今回はその中からエリクソンの提唱する発達段階について簡単に解説していこうとおもいます!

エリクソンの理論

エリクソンは、発達を生涯にわたるライフサイクルだと捉えました。

そして、誕生から死ぬまでの間に起こるパーソナリティ(=人格)の発達を扱ったのがエリクソンの理論の特徴だといえます。エリクソンの発達段階の考え方は、以下の通りです。

①エリクソンは、人生の節目を8つのステージに分けて考えました。

②そして、各ステージにおいては重要な対人関係が存在し、その対人関係を通して発達が進展していきます。

③発達が上手く進むか、うまくいかないかの分岐点として各ステージではそれぞれに危機(クライシス)が訪れます。

④危機が訪れた時、自分自身の健全な面を大きく伸ばし、不健全な面を小さくするする事によって幸せな人生を歩む事が出来るという考え方が基本です。

エリクソンによるパーソナリティの発達段階まとめ

段階課題社会的状態心理社会的結果
段階1
(0~1歳)
世界を
信頼できるか
〇援助・基本的欲求に対する準備・連続性。
×援助の欠如。喪失、非一貫性。
信頼
VS
不信
段階2
(2~3歳)
自分の行動を
コントロール
できるか
〇賢明な寛容さ・援助。
×過保護・援助の欠如・信頼の欠如
自律
VS
疑惑
段階3
(4~5歳)
両親から独立
して自分の限界を
模索できるか
〇推励・機会
×機会の欠如・消極的感情
自発性
VS
罪悪感
段階4
(6~11歳)
生存し適応する為に
必要な技術を
マスターできるか
〇適切な訓練・十分な教育・良いモデル
×訓練の乏しさ・方向性と援助の欠如
勤勉性
VS
劣等感
段階5
(12~18歳)
私は誰?
私の信じるもの、感じるものは何?
私の態度はどんなもの?
〇内面の安定性と連続性・良い同姓のモデル・正のフィードバック
×目的の混乱・不正確なフィードバック・不正確な期待
同一性
VS
同一性拡散
段階6
(前成人期)
他人の為に自分を与える事が出来るか〇暖かさ・理解・信頼
×孤独・排理
親密さ
VS
孤立
段階7
(成人期)
次の世代に何を提供できるか〇目的性・生産性
×豊さの欠如・退行
生産性
VS
停滞
段階8
(成熟期)
自分の人生に満足しているか〇終結・統一性・方向性
×完全さの欠如・大不満
自我の統合
VS
絶望

乳幼児期に関わる各段階の解説

段階1(0~1歳)

信頼VS不信

0~1歳の子ども達が対象となるこの段階は、世界を信頼できるかという事が課題になっています。

赤ちゃんは、必死に精一杯世界と関わろうとしています。

この時期の応答的な関りは身近な大人や世界との信頼関係を築く基礎となります。ここで世界を信頼できるかどうかが、段階1の重要な課題となります。

大人の関りのヒント

まわりの大人は、基本的欲求に対してしっかりと準備をして関わり、連続性をもって接する事で赤ちゃんも見通しをもって安心して過ごす事が出来ます。

達成すると得られる力

この課題をクリアする事が出来れば、赤ちゃんは【hope(希望)】という力を得る事が出来ます!

逆に、援助の欠如や一貫性のない関わりを続けられると安心して生きる事が難しくなり、希望をもつ事が出来なくなるでしょう。

段階2(2~3歳)

自律VS疑惑

2~3歳の子ども達の重要な課題は、自分の行動をコントロールできるようになるか否かです。イヤイヤ期なんて言われる時期でもありますが、これは子ども達が必死に自立しようとしている姿です。

周りの大人が賢明な寛容さを持ち、適切な援助をする事で自律心が培われていきます。

大人の関りのヒント

大人は、子どもの行動に対して賢明な寛容さをもって接する事が大切になってきます。

過保護になりすぎる事なく、適切に挑戦の機会を応援する事が必要です。失敗を叱りすぎてしまったり、何でも先回りしてやってあげる事は、子どもの自主性の育ちを阻み、羞恥心などを強くしてしまいます。

達成すると得られる力

この段階の課題をクリアする事が出来れば、子どもは【will(意欲)】という力を獲得する事が出来ます!

「出来る!」「やってみたい!」という気持ちは最大限尊重していきたいですね。

段階3(4~5歳)

自発性VS罪悪感

4~5歳の子ども達が対象となるこの段階では、これまで以上に幼稚園や保育園で子ども同士活発に遊ぶ時期ですね。この時期の重要な課題は、両親から独立して自分の限界を探索できるか?というものです。

励まされながら、様々な事に挑戦する場面を通して子ども達は大きく成長していきます。

大人の関りのヒント

この時期の子ども達に必要なのは、挑戦のチャンスと励ましです。好きな事に伸び伸びと挑戦する機会をいかに提供できるかが大切になってきます。

逆に過度に厳しいしつけを行うと、子ども達は自発性を失ってしまいます。

とはいえ、公共の場でのマナーやルールを教える事も大切な時期です。自発性を大切にしながらも「なぜなのか」という理由をしっかり伝えて、公共の場でのマナーなども学んでいって欲しいですね。

達成すると得られる力

この段階の課題を達成すると、【purpose(目的意識)】という力を獲得する事が出来ます。両親から独立できず挑戦する機会が持てなかったり、消極的な感情で関わられたりすると、子ども達は、罪悪感を抱える事になります。

学童期と青年期に関わる各段階の解説

段階4(6~11歳)

勤勉性VS劣等感

6歳~11歳を対象とするこの時期の課題は「生存し適応する為に必要な技術をマスターできるか」というものです。

日本の子ども達も、小学校に通い様々な事を学ぶ時期ですね。また、様々な事を学ぶ中で自分に「能力」がある事も知り、自信をつけていく時期でもあります。

大人の関りのヒント

この時期の子ども達に必要なのが、十分な教育と良いモデルです。子ども達が十分な教育を受け、良いモデルを見つける事ができるような関わりや環境を用意してあげる事が大切になってきます。

達成すると得られる力

この時期の課題を達成すると得られる力は、勤勉性です。逆に厳しく叱りすぎたり、学びの機会が不足してしまうと劣等感を強く感じる事になります。

子ども達は、自分に自信をつける中で自己の【competency(能力)】があると理解していきます。

段階5(12~18歳)

同一性VS同一性拡散

12~18歳のこの時期は、「自分とは何だろう」「自分は将来何をして生きていけば良いのかな」等と様々なことを考える時期です。

乗り越えるべき課題は、まさにアイデンティティーの獲得VSアイデンティティーの混乱です。

大人の関りのヒント

この時期は内面の安定性が何より大切になります。また、父親や母親、先生などの同姓の良いモデルを見つける事が重要になってきます。

行いに対する正しいフィードバックがある事によって子ども達は、課題を乗り越えていきます。

達成すると得られる力

「私は、こういう人間だ!」と確信をもって生きる事が出来るようになると、自分のアイデンティティーが確立され、【fidelity(忠誠)】という力を得る事が出来ます。

これは、自分の選んだ価値観や考え方を信じて貢献しようとする力だという事もできます。例えば「地球に生まれた者の1人として環境を守る活動に参加しよう!」と思う事もアイデンティティーが確立され忠誠という力を得ているからこその思考・行動ですね!

18歳以降の発達段階の解説

段階6(前成人期)

親密さVS独立

前成人期と呼ばれるこの段階では、他人の為に自分を与える事が出来るかという課題があります。

学校や家庭を離れて新しく人間関係を築く事も多い時期です。仲間との長期的な信頼関係や、結婚を通して得られた新しい家族との関わりも深くなっていく時期でもあります。

社会的な状態

独立に立ち向かう為に、心から信頼できる人と関わる事が重要となります。

反対に、人と関わる事を避けてしまったり、長期的な人間関係を築く事を怠ったしまうと孤立してしまいます。

達成すると得られる力

この課題を達成する事が出来れば、【Love(愛情)】という力を手に入れる事が出来ます。

理解し、信頼し合える人と暖かで親密な関係を築いていく事がとても大切になります。

段階7(成人期)

生産性VS停滞

成人期と呼ばれるこの段愛は、次の世代に何を提供できるか?という課題があります。

子どもや孫に関わる事はもちろん、職場の後輩や地域の為に自分の力を使うことを生きがいに感じる人も多いのではないでしょうか。

社会的な状態

目的性をもって共同体の為に、自分の力を使ったり、考えたりする事が出来る環境にある事が大切になります。

達成すると得られる力

この課題を達成すると、【care(世話)】という力を手にする事が出来ます。

対して自分の事だけを考えて生きている。という状態を停滞と呼びます。豊かさが欠如し、次世代に何を残すかを意識して生きる事が出来ず、停滞していると生きている意味を見出す事が難しくなってしまう場合もあります。

段階8(成熟期)

自我の統一VS絶望

成熟期と呼ばれる人生の最終段階です。この段階では、自分の人生に満足しているか。という大きな課題と向き合う事になります。

社会的な状態

完全さの欠如や不満足があった場合、絶望が待っている可能性もあります。この段階で、自我の統合がしっかり行われることで例え死に直面しても自分の人生には価値があったのだと大きな意味を見出す事が出来るでしょう。

達成すると得られる力

この課題を達成する【wisdom(賢さ)】という力を手に入れる事が出来ます。

これまでの発達段階における課題(危機)を乗り越えていく過程の中で、様々な力をつけて、満足のいく人生だったと振り返る事が出来るのがこの段階です。

人生の最期を目前にして、自分の人生に満足だったか。後世に何かを残す事が出来たか。そんなことを振り返りながら、余生を穏やかに生きていいきたいですね。

まとめ

今回は、エリクソンによるパーソナリティの発達段階について解説してみました。これは精神的に幸せな人生を歩む為の理論と言う事もできます。

保育や子育てに活かす事が出来る事は、もちろんですが自分の人生に活かす事もできるとても壮大で面白い視点の理論でしたね。

各段階の年齢に関しては、書籍や文献によって様々だったりもするので「おおよそ〇歳くらい」と捉えて良いのかなと思います。

大切なのは、人生に訪れる危機や課題に自分自身や子ども達がどのように対峙していくのか。そして、その先にどんな力を獲得していくのかという見通しを持つ事ではないかなと私は思います。

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