乳児保育(育児担当制)に関するQ&A

FAQ

皆さんにとってより良い学びの場が提供出来たらと思い、Q&Aページを作成してみました。育児担当制に関するよくある質問をまとめていますので参考にされてみてください。

(最新の投稿は、オレンジ色で表示しています。)

乳児保育

食事について

情報共有の必要性

まずは具体的な援助の方法の前段階として、

  • 子どもの咀嚼機能の発達
  • 原子反射
  • 好き嫌い

についての情報を園内で共有し、園としての方向性や基準づくりをお勧めいたします。

食事の時間が楽しく心が解放されているからこそ、咀嚼吸収がうまく働きしっかり栄養を吸収できます。そして社会性や心も育まれていく、とても重要な時間です。

だからこそ、園全体の大切なこととして、給食の先生と連携をとりながら進めていくことが必要不可欠だと思います。

moma
moma

よりよい子どもの育ちのためにみんなで楽しく学びあっていきたいですね。

① 子どもの咀嚼機能の発達

子どもの咀嚼機能の完成する時期は、乳歯が全部 生えそろったときで、年齢にすると3歳頃になります。

奥歯上下が生えそろっていないと、葉物野菜など 薄くてペラペラしたものは、かみ切ってすりつぶせません。

② 原始反射

原始反射は、諸機能が未発達の子どもが生命の維持 のために特有の刺激に対して起こる、神経系の反射行動です。

図のように、酸味や苦味を感じると腐敗や毒物という刺激に 対する反射行動して起きたりします。

一度よく噛めずに飲み込めなくて苦しい、怖い思いをすると、 その食材や料理を嫌がったり、食べることに消極的になった りします。

③ 好き嫌いについて

嫌いだったものが食べられるようになった年齢と、食べられるようになったきっかけの研究結果です。

トマト、 にんじん、玉ねぎ、しいたけ、ピーマン、なす、長ネギとい った酸味や苦味、触感に特徴がある野菜は概ね10歳 までに食べられるようになっています。

食べられるようになったきっかけは「好奇心ら」が最も多く、 次いで大人の真似、友人の真似となっています。

好奇心を引き出すような対応や真似ができるような大人の関わりがポイントになりますので、 後編で詳しくご紹介します。

育児担当制だからこそ

育児担当制の素晴らしいことの1つは、子どもへの理解が深まることです。 食事に関しても、その子の苦手な味付けや食材は担当の保育者が一番理解してあげられます。

子ども「ぼくのこと、わたしのことわかってくれるんだ」と感じられることが、 主体的に生活をおくるうえで大切なことだと思います。

引用文献:上田玲子著「食べ物の好き嫌いは生きる力~好きなものをゆっくり増やそう」

後編は、保育における具体的な援助や手立てを考えていきたいと思います。

事前に出来ること!

事前に苦手な食材や料理がわかれば、お皿に盛る前に量を調整してあげましょう。

子どもは大人から理解されることで、「ちょっと食べてみようかな」「また食べてみようかな」と前向きな姿勢に成長していきます。 こどもの姿をみながら慣れたら徐々に量を増やされてみてください。

苦手な食材がはじめから山盛りだと、それを見ただけで気持ちが下がることもあります。 例えばその子の家庭が洋食の中心の味付けとわかっていれば、和食の味付けになれていないと思います。

特に家庭で食べていない料理は、最初は苦手に感じることが多いので、「今日の給食は〇〇っていう料理だよ。お家で食べたことある?始めてだから少なくしておくね。」と言葉を手渡しながら、量を調節されてみてください。

moma
moma

苦手なものが山盛りのお皿をみたら大人もテンション下がるよね。

喜びを入口に、食材とも関係を結ぶ

また好奇心を引き出すような対応や真似ができるような大人の関わりは、育児担当制だからこそ、より丁寧な援助になると感じています。 もし、事前にお魚が苦手な子がいたとしたら、担当の保育者は給食の先生と連携して、大人専用の小皿に一口サイズのお魚を準備してもらいます。

そして、子どもが食べる前に「今日はお魚だね。どんな味か食べてみるね」「噛んでいるとあまくなって美味しいよ」など、美味しそうに食べる姿(モデル)を見せていきます。 信頼関係で結ばれた担当の保育者が美味しそうに食べるのをみて、口に入れても大丈夫な食べ物だと確認してから、自分も口にいれてみるかもしれません。

もし興味を示したら、子どものお皿に最初からのせずに、「一緒に食べてみる?」など自己決定できる言葉でその子の意志を聞いてみます。 無理に食べさせるのではなく、信頼できる大人からの情報や温かな言葉の積み重ねによって、いつか自分から「ちょっと食べてみようかな」という気持ちになれるような援助を心がけましょう。

moma
moma

大人が食べるモデルを見せて楽しむのも良いと思います!!

もしも食べてくれたら?

そして食べたときに、「おいしいね」という言葉がそえられることで、その食べ物を口に入れたときの味覚刺激とともによりよい記憶が残っていきます。

発達段階に合っているかも大切!

野菜の茎の部分など咀嚼機能の発達段階で早すぎるものは、よく噛めないために口の中に残りやすくなります。 例えば、奥歯が生えていなかったら、きゅうりのスライスはがんばっても呑み込めないので“べっ”と出します。

その子の行為をみて、はじめから苦手なんだと捉えずに、料理の形状や歯が何本生えているかといった咀嚼機能の確認を意識されてみてください。

残食が多かったり、援助に難しさがある場合、原始反射や咀嚼機能の発達段階をおさえて献立を見直したり、口腔内の感覚が過敏な子などは個別対応も検討されてみてください。

担任のクラスの1年間で好き嫌いをどうにかするという観点から、長い目で子どもの成長を支えていく援助を心がけていきたいですね☺

体調、前日夜や朝の食事内容、睡眠の質、午前中の遊びの内容などによって、子どもの姿は変わります。

moma
moma

そのためその日その日の子どもの姿や何時に朝ご飯を食べてきたという「時間」に細やかに合わせすぎると、園の中での子ども自身の日課もつくられにくくなるのかも…

お腹が空いている姿であれば手立てで姿が変わることもありますし、もちろんクラス全体の日課と個人の日課があっていないという場合もあります。 こどものとも社オンライン園内研修の「食事の悩み・課題」編で、様々な手立てを紹介していますので、よろしければご覧頂き、1つずつ手立てを試されてみてください。

※ 動画は3月末まで何度も視聴できますので、クラス担任の皆さんで共通理解を深めていくと、よりクラス全体の日課がスムーズに流れるようになってくると思います。

流れる日課は、毎日の生活が規則的にくりかえされることで、少しずつ次の出来事がわかるようになります。次に自分がどのような行為をするのか、自分の順番がいつまわってくるのかがわかるようになります。その結果、子どもに安心感やお部屋の落ち着いた雰囲気をもたらします。

年度のはじめであれば、子どもが見通しがもてていないのは自然な姿です。年度のはじめにそのことを大人が理解したうえでの子どもへの配慮が求められます。順番を変える必要性のある子もいるかもしれませんが、オンラインの手立てをご参考に、本当に順番を変える必要性があるのかをクラスで話し合われてみてください。

ワンポイント

原則としては、お腹が空いている姿に応じて頻繁に順番を変えると、子どもは見通しがもてなくなるため、安心して遊んで待つことが難しくなるなど、子どもが主体性に生活する流れる日課ではなく、結果的に大人が流す日課になる傾向があります。

子どもの24時間の生活リズムを把握し、お腹が空く時間帯を平均値化し、順番を決めてみてください。

保護者の方のお仕事が変則的な労働時間により、こどもの日課が定まりにくい場合は概ね2パターンの日課を考えることや、保護者の方に生活習慣の重要性や情報を共有し、だいたい同じ時間帯に朝食が摂れないか相談するのもひとつの手立てです。

保護者の方には強制ではなく、それぞれの家庭の状況や気持ちに寄り添い、納得して引き受けていただけることを大事にされてください。

考えられる2つの要因例

毎日泣く原因として考えられるのは、その時間帯に生理的欲求が満たされていないこと以外にも環境の大きな変化が考えられます。

<生理的欲求が満たされていない>

  • お腹が空いている
  • 眠たい
  • おむつが濡れているなど気持ち悪い

<環境の変化>

  • 大人の雰囲気や動きの変化

moma
moma

大人の雰囲気や動きが”泣き”に関係するってどういう事だろう…?

大人の雰囲気や動きの変化とは

今回は大人の雰囲気や動きの変化について考えていきたいと思います。

食事の雰囲気づくり

日常で私たち大人が大切にしたいことは、1人ひとりの子どもが食事の時間が楽しい時間であると感じてもらう雰囲気や日課づくりです。

子ども達が食事に安心して気持ちをむけられるために、まずは愛着・信頼関係で結ばれた大人が、心から楽しげに食事の支度を始め、穏やかな雰囲気をつくることだと思います。

moma
moma

食事の支度を楽しそうに、穏やかに始めるのって難しそう…

大人が落ち着かなくなる要因

食事を準備するとき、「早く食事をまわさないといつも寝ちゃう子がいる」、「泣いている子がいるから早く食べさせなきゃ」といった心境になるなど、つい、私たち大人が食事の時間に対して『1日で1番忙しい・大変な時間・子どもが泣く時間』という気持ちになりがちです。

そういった心境でいると振る舞いや言動もどこか落ち着かない雰囲気になります。

moma
moma

忙しいとつい、早く!早く!と思ってしまいがちかも💦

大人が落ち着かないと子どもも…

大好きな先生が突然落ち着きがなくなり、バタバタと動き出したらそれだけで子どもはどんな気持ちになるでしょうか? このような場合、泣き始める前後の保育を観察することで、解決の糸口がみえてくるかもしれません。

原因が複数ある場合もありますが、まずは保育を観察し、一つずつ気づいたところから改善を進めていきましょう。

moma
moma

急ぐ必要性や、バタバタしてしまう要因を探って解消していく必要があるんだね!

園全体で考える!

例えば、調理師さんや配膳を担当している保育者がよかれと思って元気な声で「ごはんですよー!!」と知らせているとします。それだけで遊びが中断されたり、驚く子もいると思います。

そして、準備にとりかかる担当の保育者にとって「さあ食事の時間だ!」といった必要以上に気負う姿となっているかもしれません。また配膳ワゴンがくることを合図に、無意識に大人の雰囲気や動きがドタバタと変わっているかもしれません。

特に0~1歳児クラスの子どもは愛着関係で結ばれた大人の心情の変化を敏感に察します。私たち大人も目の前の人が急に慌ただしく動きだしたら、落ち着きませんね。

保育を観察し、まずは大人がゆったりとした心情で食事の支度にむかえる観点をもって話し合い、一つずつ改善を進められてみてください☺

今回も大人の雰囲気や動きの変化について考えていきたいと思います(後編)。

まずは客観的状況を把握する

ビデオ(動画)や観察を通して

  • 給食ができたら給食室からブザーや内線の電話で知らせる大きな音がクラスの中で鳴っていた
  • 保育者が時間を気にして、子どもではなく時計に意識がいきだしていた
  • 役割分担がスムーズでないため大人のやりとりが多くなっていた(大人の日課が整理されていない)

といった、大人にとっては習慣化して当たり前になっていることや、子どもを必要以上に待たせている環境など気づけるきっかけとなります。

気づきをもとに、大人の日課を見直す、動線やスムーズな食事の準備ができる環境づくりを進めるなど、心から楽しくゆったりとした心情で食事の支度にむかえる観点をもって話し合いを進められてみてください。

moma
moma

ビデオ分析や観察で、良い部分に気が付いたら、それも積極的にシェアして強化していこう!

見直したら、園全体でサポートし合う♪

見直しと同時に、クラスの保育者が大切にしたい価値観や基準を設定していくことで、フリーやサポートの保育者がクラスに入ったり、担任がかわっても、よりよい積み重ねいきやすくなります。 例えば、

  • 食事の時間は明るく楽しく心地よい雰囲気であることを大切にする
  • 食事のワゴンが来ても、慌てず、おおらかな雰囲気で準備をはじめる
  • 食事の準備をはじめる保育者は、準備に取り掛かる前にクラス全体をみて、助けを必要としている仲間がいないか確認してから取り掛かる
  • 例えば2テーブルで進行するクラスであっても、同時に2テーブルの準備をはじめず、1テーブル目の保育者が準備をして、時間差で2テーブル目の準備をはじめる
  • 食事前に全員一斉に子どもの排泄を変えるという考えから、一人ひとりの排泄の間隔に配慮した日課にする食事前に全員お手洗いに行くとなると交代でばたばた慌ただしい流れになり、結果大人が流す日課になります)
  • 食事の時間帯に出し入れしやすいあそび道具を準備してみる
  • いつも泣く子が決まっているのであれば、担当の保育者は食事の準備に取り掛かる前に、その子に「ごはんの準備をしてくるね」と声をかけてから、ゆったりとした雰囲気で準備に取り掛かる。

などの工夫も考えられますね。

遊びのバランスを考えると、不要な心配も減ってくる!

最後に、日常的に大人が子どもに必要以上に関わり過ぎていると、食事の時間帯に急に大人がいなくなることで不安感が強くなるということも考えられます。大人と遊ぶことが習慣化されることでこのようなことが起こりうる可能性もあります。

わらべうたのように子どもと愛情深い応答的な関わりのあるあそびと、子どもが主体的にあそぶ時間とのバランスが大事だと思います。

乳児期の育ちに関する3つの視点のうちの一つ、「身近なものと関わり感性が育つ」という視点を持って、子どもは自らあそぶ主体であることを大切にしていきましょう。

関わりについて

解決のカギは、助け合いと連携!

保育者が抱っこをずっと続けていると、他の子どもたちも不安な気持ちになります。なるべくその期間を短くするためにも助け合い連携が必要です。 新しく入った子が見通しをもって安心して過ごせるよう、慣らし保育中は担当の保育者と1対1の関りが持てるように、担任間で連携を、特に副担当の先生が在園の担当の子を気にかけてくれるようにしています。

遊びの時間はみんなで子どもをみるので、自分の担当ではなくても好きな遊びを知っていますし、少し寂しそうにしていたらわらべ歌などの遊びをして、安心感がもてるような関わりもできます。

在園児さんを置いて部屋を出る時は・・・

もし、在園児の子どもが後追いをするようであれば、育児行為等で部屋からいなくなるときは、かならず、「おトイレにいってくるね。おトイレが済んだらまたもどるね。もどったらあそぼうね」などいなくなる理由と、必ずもどることを伝えることを大切にされてみてください。

moma
moma

子ども達の人権を尊重して信頼関係を構築したいですね。

在園児さんとの時間も変わらず大切に

もちろん、在園児の子と一緒におトイレに行く場合はこれまで通り「世界でたったひとりのあなたと私の大切な時間」を心がけてみてください。 また、新入園児の子どもが寝ている時間帯などに在園児の子どもとわらべうたなどスキンシップのとれる遊びを心がける、など一人ひとりの日課がイメージできていれば、いつどんな配慮や関わりができるのかがイメージしやすくなります。

新入園児にとっては、目にする担当の大人の振る舞いが強く影響を与える時期なので、ミニコラムの「大人の振る舞い 1~3」もどうぞご参考ください。

例)A先生A先生の連携例B先生B先生の連携例
4・5月①さん・②君・③君A先生のサポート
6・7月同じ④君
8・9月同じB先生の担当の子をサポート④君・⑤さん
10・11月同じB先生の担当の子をサポート④君・⑤さん・
12・1同じ同じ
2・3同じ同じ

新入園児の子どもにも在園児のこどもにとってもなるべく変わらない環境が大切です。 4月に数名の園児数で始まり、途中入園で園児数が増えていくということが毎年であれば、A先生が最初の3人を担当し、B先生が次の4人目から6人目までを担当するという方法もあります。

このやり方だと、A先生と担当の3人の子どもは1年間変わらない環境になります。そして、例えば6月に5人目の園児が入園したとき、A先生の3人の子どもはいつもと同じ毎日を過ごすことができるため落ち着いており、A先生がB先生の1人の担当の子のサポートがしやすくなります。

moma
moma

4月入所の3名が物との関係性をしっかり築いて、自立して遊べるようになるような関わりが大切なんだね!!

新入園児が入園してきたとき、在園児の子ども達がどれだけ変化なく落ち着いた環境にいれるかも、1つのポイントだと思います。 最後に、一人ひとりの子どもが主体的に自ら遊ぶことができる環境も重要になりますので、よりよいあそびの環境づくりも1歩ずつ進められてください。

排泄について

大人が減るとトラブルが増えるのはなぜだろう?

 育児担当制で一人ひとりを大切に育てるための条件を整理すると、【子どもが自分のまわりの道具(玩具)を使って自らあそべる環境をつくる】ことが前提の1つになります。

本来であれば、乳児期の子どもは集団で楽しくあそぶという発達段階ではありませんが、園・クラスという集団の空間で1日を過ごすことになります。

そのことを念頭に保育室を構成することが求められます。

moma
moma

やっぱりポイントの1つは遊びなんだね~

自ら遊ぶ主体となる為に…

乳児期は一人ひとりの子どもが安心感・安全感を持って情緒が安定することで、自らあそぶ主体になれます。 だからこそ1対1の育児行為の時間が大切になります。

子どもはまわりの環境に関わりながら、その時々の興味関心・発達課題にあわせてあそびながら成長していきます。

 身体全体の機能を使って運動して、まわりのモノや作用を探索して、それらを操作しながら微細の機能を働かせていき、やがては見立てて意図的に構成構造したり、役を演じて社会を再現していくようになります。

遊びの観点 その①

今回から3回にわたり、「あそびの観点」から手立てをご紹介します。

お部屋にいる子どものあそびの環境が豊かになることで、結果としてトラブルが減り、1対1の育児行為の時間もさらに充実してくると思います。

あそび道具が発達にあっていますか?

⇒発達にあっていないあそび道具は、難しすぎると大人なしでは遊べませんし、簡単すぎるとあそびのモチベーションが生まれません。 1人ひとりの子どもの姿をみてそこにどんな「あそび」や「あそび道具」を用意したらよいのか、話し合われてみてください。

moma
moma

あそびが発達に合っているかは、子ども達の姿からも読み取れるんだね!

参考資料:吉本和子著「乳児保育P132」

数は足りていますか?

⇒乳児期の子どもの発達段階から考慮すると、まだ気持ちよくモノの貸し借りができる時期ではありません。 遊び道具が1個や少量しかないのは、子どもたちにとって「そのおもちゃを取りあいなさい」というシビアなメッセージになります。遊び道具の量も大切です。

概ねの目安はカゴいっぱい入る分であると、2~4人の子どもが遊ぶことができる量になります。 気持ちよく自己決定して貸し借りが出来るようになるのは個人差がありますが、概ね2歳児クラスの終わり頃です。

それまでは、一人で満足できる量と空間の保障の工夫が必要になります。

moma
moma

環境構成で、不要なトラブルも減らせるんだな~

◎遊びの観点 その2

遊び道具の置き場所は子どもが目にみてわかりますか?

子どもは目でみたものに主体的になれます。

遊び道具を使って遊びたいというときに、置き場所が毎回変わっていると遊びの見通しがもちづらくなります。いつもと同じ場所にあることで、子どもは見通しをもち、安心して自ら遊び道具をとりにいけます。

棚や家具の配置、棚の中の遊び道具やカゴの置き場所など、基本の環境構成を決めていきましょう。

参考資料:吉本和子著「乳児保育P146、P152、P158参照」

棚のあそび道具は定期的に入れ替えていますか?

1年間棚の遊び道具が変わらないと、その遊び道具は探索しつくしたり、発達的にクリアしているため、大人から見ると子どもは遊ばなくなる、もしくは大人がしてほしくない遊び方(=子どもにとっては工夫した結果のあそび方)をするようになります。

子ども達は常に成長し、変化しています。 遊び道具も、子どもの発達や成長、興味関心にあわせて変化していきましょう。

例えば、入れたり出したりのあそびで、お手玉と入れる容器があれば、発達段階とあそびの難易度によって大きさや形状・穴の形・つかみやすさなど多種多様なものがあると、組み合わせのバリエーションやアイデアが広がります。

※遊び道具については、乳児保育「P140」やグループLINEの「よりよい保育のための学びグループ」にて毎週紹介していますので、よろしければご参考ください。

子どもはみずから遊ぶ主体と考え、大人が遊び道具を子どもにその都度提供するのではなく、子どもが主体的に遊ぶことのできる環境づくりを進めていきましょう。

◎遊びの観点 その3

日常で大人が必要以上に関わりすぎて、大人がいないとあそびが成立しない、大人があそぶ対象になっていませんか?

子どもは主体的に周りの環境に働きかけながらあそび、さまざまなことを学んでいきます。

  • 大人に“あそんでもらう”
  • “あそんであげないとあそべない”

という存在ではなく、子どもはみずから遊ぶ主体です。

豊富な道具を整えたとしても、大人が一生懸命あそんでしまうだけにならないよう、私たち保育者が意識することは、子どものどこかが育とうとしていることに対して、自分が関わることで、言葉を手渡すことで、「下支えしている」ということを大切にしたいですね。

環境や関わりを見直してみる。

 常に大人が一生懸命あそんでしまうだけになると、子どもの日常にとって大人が遊ぶ対象になります。 そのような関係性だと、子どもにとっては突然食事や排せつの時間に遊ぶ対象がいなくなる、ということになります。 この状態では、一人ひとりを丁寧に排泄に誘うことは困難になりますね。

moma
moma

遊ぶ対象を失った子ども達は、何して遊んでいいのか分からなくなりますよね💦

また、部屋に置いてあるあそび道具の課題が高すぎる(難しすぎる)と大人がいないとあそびが成立しませんし、低すぎると子どもはモチベートされません。 一人ひとりの発達課題を考慮した環境づくりと、保育者の下支えする関わりを大切にしていきましょう。

moma
moma

子どもが自立して遊び込める環境作りが1対1を可能にするんだね!

モデルやアイデアを示してみる

他方でただ見守るのではなく、日常の関わりとして、例えば、大人がこんなふうにあそんだらもっと楽しいよというモデルをそっと示し、一緒にあそび、大人は自然にそっと抜ける。 そういった関わりによって、子どもは柔軟にそれを吸収しながらもまた違う段階へとあそびが発展していきます。(そのモデルに対して「あそぶ」か「あそばない」かは子どもの自由です)。

子どもはアイデアを吸収し、また違う段階に発展することの例

子どもがプラスチックのコップを壁の端に並べていたとします。 (下 写真参照) お部屋にあるコップの量だけ並べ続けると、今の時間のクラスの人数においては、他の子どもの一人遊びや探索遊びの空間が保障しずらいな、と大人が感じたら、クラス全体の調和を考え、ただ見守るだけでなく、アイデアの提供をしてみることもできます。

⇒並んだコップの傍にそっと、お手玉人形を準備して様子を見てみる。 子どもはもしかしたら、コップの上にお手玉人形を乗せるかもしれません。 一つのものを並べる遊びから、二つのものを組み合わせる遊びに発展し、コップを並べるエリアが拡大することもなくなるので、他の子どもの遊びの空間を保障することもできます。

このような関わりが、ただ子どもと一生懸命あそんでしまうだけとの違いだと思います。

このような関わりの日常の結果として、一人ひとりの子どもが主体的に周りの環境に働きかけながらあそび、さまざまなことを学んでいきます。そして、大人は一人ひとりの子どもを丁寧に排泄に誘うことができるようになります。

◎遊びの観点 その4

あそぶ空間がありますか?

子どもは、何(どのようなあそび道具)を、どこで、誰と、どのように、どのくらいの時間遊んでも自由であることを念頭に考えると、月齢・年齢など、一人ひとりの子どもの発達にあった遊ぶ道具を整え、子どもが目で見て、道具を手に取り、じっくりと遊ぶことができる空間が必要になります。→その空間は、大人がしっかりと子どもを見守れる(観察できる)ということにもつながります。

◎いくら担当制でも、ずーっと1対1の時間は作れないから。。。

育児担当制で、一人ひとりを大切に育てるといっても、大人と子どもが1対1になり、常に援助してあげられるわけではありません。 子どもがあそび道具を使って自分で遊んでくれることで、一人ずつ排せつに誘えたり、本当に関わってあげなければならない子どもに丁寧に関わることができます。

◎どうやったら自分で遊んでくれるの?

子どもの発達課題に応えるあそびを考えると、

  1. 一人遊びが保障できる部屋のスペースがあるかどうか
  2. 満足に探索行為ができるか(必要以上に仕切りが多いとかえって空間が狭くなり、パーソナルスペースを意識した空間の保障が難しくなることがあります。)

などを考えて空間を作る事も大切です。

吉本和子先生著「乳児保育」:P146、P152、P158空間見取り図を参考にされてください。

◎大人の役割

私たち大人は、子ども自身があそび成長するのは子ども自身ということを念頭において、空間やあそび道具を整える必要があります。

安全性や衛生管理といった大人の観点に加え、1人ひとりの子どもがどんな風にあそび環境が見えているのかを意識した「子どもの観点」も大切にしながら、よりよい保育環境づくりを1つずつ目にみえる形にしていきましょう!

日課について

眠気のメカニズム

眠気は脳内にある多くのタンパク質のリン酸化という生理的メカニズムによって起こるため、人は眠い時は空腹感を感じず、睡眠欲求がもっとも優先されます。

もし眠たい子を無理に目覚めさせながら食事をさせても、噛む力・回数が減りますし、消化吸収する力もおちます。 機嫌よく食事にも向かえないため、まずは睡眠欲求を満たす必要があります。

手立ての例

眠たくて、寝てしまう状況であれば、睡眠を優先し、食事の順番を後半や最後にされてみてください。 個人差もありますが目安としては睡眠のワンサイクルを目安に35~40分で、子ども自身が心地よく目覚められる環境づくりを大切にすると良いと思います。

子ども自身が気持ちよく目覚められる環境の例
  1. お布団の足元をめくり、涼しくしてみる。
  2. 部屋を明るくしてみる、
  3. 気持ちよい季節であれば窓を開けてみる。

など、自分が寝ていて、起こされるときどんな風にしてくれたら心地よく目覚められるかな?というのもひとつの指標だと思います。

おおむねの日課の変化

眠気で機嫌が悪くなったり、眠たそうな時は寝る、という日課の柔軟な幅をもたせる時期が変則2回寝の時期です。

0・1歳児クラスは、2回寝、変則2回寝の子と1回寝の子がいるため、年度はじめに計画した食事の順番が年度途中で変化する子も中にはいます。

秋頃にはおおよその子どもが1回寝になっていきますので、それまでは、その子自身が成長と共に1回寝になっていけるような環境づくりと配慮を大切にされてみてください。

日課表は、園という集団生活の中で、一人ひとりの子どもの生活リズムを保障するために、クラスの保育者がどのように保育をしたらよいのか、どのような連携や助け合いが必要かを知るためにあります。

moma
moma

※連携とは「同じ目的をもつ者が協力しあうこと」です

乳児期は人生で一番成長が著しい時期であり、また個人差がある時期!

例えば、午前11時30分の時間帯という同じ空間の中に、食事をしている子、寝ている子、遊んでいる子がいる状況が日常の光景になります。

つまり、一人ひとりの生体リズムや生活リズムがそれぞれ違う子ども達がいる環境です。 そのような時期の子ども達が過ごすクラスでは、クラスのスケジュールに合わせるのではなく、 一人ひとりの日課をクラスのなかで流れるように構成する必要性があります。

日課表は大人にとっても必要なツール

一人ひとりの日課をクラスのなかで流れるように構成するには、円滑な連携をはかりながら、全体の日課を進めていくことが、クラスの保育者に求められます。 自分自身の1日の流れだけでなく、クラスの他の保育者が今何をしているのかを知ることができるのが日課表です。また、自分がお休みの日に担当をしてくれる保育者に対しても必要なものになります。

moma
moma

以前のわかたけ保育園の経験談として、日課表をつくりあげたことに満足して、クラスで日課表が機能しなかったことがあります💦

都度日課表を作るべきか?

前置きが少し長くなりましたが、 「都度日課表を作成することが必要?」という質問ですが、クラスのみんなが流れる日課の重要性を理解し、作成して、実践し、一人ひとりの生活リズムを保障し、みんなで助け合いや連携がとれるようになったら目的は果たされるので、別の形で情報の共有を進めていくよいと思います。

食事の時間を例に考えると…

例えば、食事であれば1対1から1対2になったら助け合いや連携も変わっていきます。 引き続き同じように日課表を作成した方がクラスの連携が取りやすいのであれば、それもよいと思いますし、「ここは自分たちでもう大丈夫だよね」という状況であれば、変化したことを共有していくとよいと思います。

moma
moma

「子どもの成長と共に何の情報を共有していったら連携がとれるのか」が1つの大事な観点だと思います。

尊い時間を積み重ねる為に

最後に、佐々木正美さんの著書のなかで紹介されている言葉を分ちあわせてください。

一人ひとりの子どもとの尊い時間を積み重ねることができるのが、流れる日課です。 そういった時間がつくれる日課表は、私たちにとってとても心強い味方です。

「人生は『はじめよければすべてよし』といってもいいくらいです。 乳児期のスタートがよければ、貧しく育っても健康に幸福に生きていける。悪事を働いたりなんてしない。黙々と、コツコツと、人生をまっとうできるようになっていきます。

大きくなってからつまずいても、回復は早いですよ。 いっぽう、最初のつまずきがあると、人生はこうも困難になるのかというほど、問題が起こります。人生を左右するほどの違いが、乳児期のすごしかたにあるわけです。」

佐々木正美著「あなたは人生に感謝ができますか? エリクソンの心理学に教えられた『幸せな生き方の道すじ』」

結論

前回の内容を踏まえたうえで、日課表を作成し直す必要性を感じるときは作成されてよいと思いますし、クラスの保育者みんなが状況を把握できて見通しがもてていたら作成されなくても大丈夫だと思います。

moma
moma

園の状況に応じてケースバイケースですね~

◎日課を見直す際に気を付けたい事

年度初めに日課表を作成できたら、実際の保育の中で子どもの姿を観察し、振り返りながらクラスで一貫して進めることで、クラスの日課が定着していきます。 ご質問の中にもあるように、日課表は決めたものが一年間ずっと続くのではなく、子どもの成長と共に変化していきます。

ただし、大人の都合で日課をかえたり、子どものそのときの姿に応じて頻繁に順番をかえると子どもが見通しをもちにくくなり、子どもが主体的に生活することが難しくなります

moma
moma

子どもの成長と共に変化していく事が大切なんですね~

年間計画の存在

そのため育児の年間計画をもとに大人が1年間の見通しをもつことで、子どものおおよその1年間の成長・発達が見えてきますし、できる限り順番がかわらない(日課がかわらない)ように工夫できるなど、より丁寧な育児が深まっていくと感じています。

例①

0・1歳児クラスは変則2回寝の子と1回寝の子がいるため、年度はじめの食事の順番が年度途中で変化していく子もいます。年間計画によって1年間の見通しをもちながら保育を行うことで、子どもの姿に応じて都度日課表を作り直すことはなくなると思います。

例②

1歳児クラスであれば、「夏頃までは水遊び等もあり、特に体力を使うので早く眠くなるけど、秋頃には体力がついてリズムが定着してくるな」というように担任全員で見通しがもてていると、クラス全体のおおらかで安心感のある雰囲気がつくられやすくなると思います。

保育環境について

moma
moma

子ども達なりに遊びを工夫している姿がとっても可愛らしい事例ですね!でも、どんな環境を作ればそれぞれの遊びを保証できるのかな?

キッチン常設は?

1歳児クラスは月齢による発達差が大きいクラスなので、早い時期からキッチン一式(コンロやシンク、お鍋など)があると、大人がしてほしくないあそびになったり、大人があそび相手の中心となり、大人なしではあそびが成り立たないということにもなります。

moma
moma

キッチンコーナーの1年間通した常設には、慎重になる必要がありそうですね💦

その遊びは、再現遊び?探索遊び?

今回は発達のポイントや、クラスで話しあいながら進めていく配慮事項をご紹介いたします。 お母さんが台所で野菜を洗っているシーンを見ていた子どもが、クラスのキッチンのシンクで再現するあそびをする子もいます。

他方で、シンクに車を落としてガシャンという音を楽しむ子もいます。 このように、自分が見たものを再現してあそぶ子どももいれば、音や動きの変化など探索してあそぶ子どももいるのが1歳児クラスの特徴です。

moma
moma

料理を作るような遊びが、全て再現遊びとは限らないみたい!!

1歳児さんの遊びの発達例

  1. 年度のはじめはクラスのほとんどの子どもが動ける喜びにあふれ、たくさん探索あそびを楽しむ姿がみられます。
  2. やがては自分の姿勢を安定させることができる子が増えてくると、入れたり出したり、手先をつかったあそびが中心になっていきます。
  3. その行為自体をくりかえして楽しむ体験の積み重ねによって、概ね2歳頃からその行為に段々と意味づけができる段階になっていきます。 具体的には、お料理やお風呂、お皿洗いなどお母さんや身近な大人がやっていることの模倣をした再現あそびをする姿が見られます(個人差があります)。

1歳児クラスでは、お母さんの模倣をしたあそびをしますが、あそびの中身としては、すくったり・いれたりだしたりの機能練習あそびや、あそび道具をお皿に並べるといった並べるあそびを楽しんでいます。

そこに料理をつくろうという目的はまだなく、並べた結果が料理になったという、まだ再現あそびの段階です。

moma
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明確にイメージしながら目的をもってあそぶ「役あそび」ができるようになるのは、概ね3歳~4歳になってから!

多様な発達段階の子がいる事を前提に環境を作る!

このような発達の段階を踏まえたうえで、私たちができる環境づくりの配慮ポイントを考えていきましょう。

前提として一人あそびから平行あそびが盛んな1歳児クラスなので、一人ひとりの遊びの保障とクラス全体の調和が大事になります。

模倣し再現あそびを楽しむ子どもと、探索あそびを楽しむ子どものバランスを考慮すると、概ね全員が2歳になる頃にクラスにキッチン(コンロ、シンクなど)の環境を用意する、という基準をつくられてもよいと思います。

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園として目安を決めてあげると分かりやすいね!

その上で、毎年のクラスの発達の状況、傾向や雰囲気を考慮されて環境づくりを進められてください。 例えば今年のクラスは女の子が多く、全体的に月齢も高く、子ども達の姿から秋頃に環境を作ろうといった感じです。(後編に続く→)

キッチンをつくる前には?

キッチン一式の環境をお部屋につくる前までは、その子が再現したいものが見立てられるあそび道具と、再現できる空間の保障を大切にされてみてください。

例えば、容器にチェーンを入れて、レンゲやスプーンなどで混ぜている姿をみたら、牛乳パック積み木とリングバトン(LINEにて紹介しています)などお部屋にある道具を組み合わせ、コンロに見立てて誘ってみてください

moma
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受け入れてくれるかどうかは、子ども次第という姿勢が前提です♪

キッチンを導入する際のポイント

キッチン一式をお部屋に準備されるときは、いきなり次の日からキッチン一式がお部屋に置いてあると、一気に子ども達が集まってトラブルの原因にもなるかもしれません。

そのためキッチンの空間以外の構成構造や壁面遊具など、同時に新しいものを準備するなど、子どもの興味関心が分散するように準備することもできます。

また、「どこでもコンロ(簡易コンロ)」があると、スモールステップで環境づくりを進めやすくなります。担当ごとに戸外あそびに出ている時間帯はお部屋にいる人数が少ないので、モデルやアイデアを提供して遊ぶ時間に適しています。

お部屋が自分と担当の子どもだけになったら、どこでもコンロを出してきて、お鍋やコンロの使い方のモデルを示して一緒に遊ぶ経験をしておくと、キッチン一式がお部屋に準備されたときに、やりたい子だけがそこにやってきて遊ぶことができます。

moma
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移動が容易なので、遊びを保証しやすい!

ままごと遊び

なお、1歳児クラスにおいて「ままごとあそび」という言葉でもよいと思いますが、その言葉の意味には、お母さんの役を演じている役あそびではなく、料理やおむつがえ・洗濯などを含む身近な大人からしてもらったことや模倣する再現あそび、という共通理解をもたれていると、環境づくりやあそびの関わりにより深い観点やアイデアが生まれてくると思います。

遊びの例①

例えば、包丁をつかってマジックテープがついている食材をサクッと半分にわることを楽しむ姿があるとき、食材を切ってお料理をしているというよりは、“サック”という感触や感覚を楽しんでいることが多くあります。

丁寧な遊びの提供がその後につながる!

前編でお伝えしたように、あそびの中身としてはすくったり・いれたりだしたりの機能練習あそびや、あそび道具をお皿に並べるといった並べるあそびを楽しむなど、“その行為自体をくりかえして楽しむ体験の積み重ね”によって、やがては子どもが目的をもって遊ぶようになっていきます。

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だからこそこの時期は、入れたり出したりや、並べるという行為自体をくりかえし楽しむ環境づくりと体験を大切にしたいね!

それはのちの、丁寧に食材にみたてて料理をして、美しく盛り付けて誰かと食事を楽しむといった目的をもった遊びへと発展してく大事なプロセスになります。

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