今日は第7回「なぜ自分の意見を分かって貰ないのか」という記事の続きになります。
相手の自尊心を満たしつつ、自分の意見を伝える6つのルールを早速確認していきましょう!
特に最後のルールはめちゃくちゃ大切になりますので是非、最後まで読んで頂けたら嬉しくおもいます。
相手に意見を述べさせる

まずは、相手に存分に意見を述べてもらえるようにしましょう。
意見を聴いてもらうためには、まず相手の意見を聞く事がファーストステップとなります。
特に苦言は、存分に話してもらうと良いそうです。
同じ内容でも、3回ほど発言してもらえると相手の気持ちも少しずつ落ち着いてくる事が多いそうです。
例えばカスタマーセンターへのクレーム対応でも、まず相手の話を聞く事が大切だそうです。
- 他に何かございますか?
- 要点をもう一度教えていただけますでしょうか?
等と発言を繰り返せるように促すようにしていくようです。
たとえばお友達のおもちゃを取ってしまった子(幼児/以上児)がいた時に、
大人:「そんな事したら悲しいよ!ダメだよ!」
と早速伝えてしまうとなかなか相手も聞いてくれませんよね。
「何かに使いたかったの?」などと、その子に、その子なりの言い分を存分に言ってもらえるような関わりから入れると、その後の対話も変わってきそうです。
答える前に間を置く

間を置く理由は、相手の発言を検討する為です。
私たちが聴き手となる時は、常に「相手の発言は、検討に値する」という気持ちでよく吟味しなければなりません。そしてそれが相手にもよく伝わるようにしてあげましょう。
例えば、、、
「確かに、君の言いたい事はよく分かる。でも私はもっとこのようにすべきだと思うんだ。」と相手の意見に賛同しない場合も
「確かにその通りだね。よくわかるよ。」と賛同する場合も
返事が早すぎると、この人はこちらの話をちっとも聞いていない(=検討してくれていない)と思われてしまうので注意が必要です。
私たちも、子ども達が食い気味で返事をしたりすると「ちゃんと理解していないかも」と不安になる事があると思います。それと同じです。こちらの食い気味の回答には相手も不安になっています。
白熱しそうになっている時ほど落ち着いて、自分が答える前には一呼吸、間を置きましょう。
君の意見は検討に値するよちゃんと聞いているよというメッセージをしっかりと出していく事で相手の自尊心を傷つけずに議論を進める事が出来ます。
100%勝とうとしない

議論は、ディベートバラエティーではありません。意見が対立した時に、勝ってはいけないという事を肝に銘じておきましょう。
これは特に、子どもとの対話の場面では強く意識しましょう。こちらが勝つ事を目的として対話を進めてしまうと、完全な対立構造を生んでしまいます。このような状況では、良い話し合いにはならないし、新しいアイデアも出ません。
友好的な雰囲気を維持する事も出来ず、仮に論破をしてしまえば相手の自尊心を大きく傷つけてしまう事になります。これは避けなければなりませんね。
議論の目的は、たいていの場合勝つ事ではないはずです。何か他の目的があると思います。
「確かにそうだよね」「君のいう事も一理あるね」
と相手の意見の一部を認め、真向から否定するのはやめておきましょう。
保育園で子どもと議論する場面でも、目的は
- 他人を思いやる態度を身に着けて欲しい
- 気が付いて欲しい事がある
- もっと安全なやり方を伝えたい
など、「議論に勝って論破する事」ではナイはずです。いつの間にか議論に勝つ事が目的となり、相手の自尊心を大きく傷つけていないかを意識してみましょう。
控え目な態度で主張する

これは、個人的には特に難しいと感じるテクニック第一位です!笑
自分の意見や考えを主張する時、私はどうしても力が入ってしまいます!「絶対こうだと思います!なぜなら、、、」「それはこのようにしましょう!」など、やはり自分が信じている事を発信する訳ですから過剰な熱意をもって伝える事があります(笑)
でもそれは時折、聞き手に自分の意見を言いにくくさせてしまう事もあります。
逆に、いつも自然に控え目な態度で主張する事が出来る大人もいますね。私も身の回りにそんな大人がいるので言い回しを参考にしていきたいなと思っています。
「私も間違ってるかも知れないけれど・・・」
「良意見ですね!でも議論を深めるために、あえて別の意見を考えてみると」
といったように控え目な態度で主張する事は相手の自尊心を傷つけずに議論を展開する基本の姿勢だとおもいます。
第三者に代弁してもらう。

これは、保護者さんとのコミュニケーション場面でも使えるテクニックになります。
自分の意見として主張すると、どうしても対立構造を生んでしまいそうなものについて、第三者に代弁してもらうのです。
どういう事かというと、たとえば科学的根拠を示す事もこれに該当します
「先日、ある専門家が言ってたんだけど」
「この本に書いてあったんだけど」
「この論文によると」
という風に、あくまで客観的な意見として議論の場に持ち出すのです。そうすると、人対人の対立構造を生まず、意見に対する正当性という部分にフォーカスして話をする事が出来ていきます。
相手のメンツをつぶさない

この最後のテクニックは、特に重要です。相手のプライドが議論によって崩れてしまわないようにしなければなりません。
その為の具体的な方法には以下の2つがあります
- 相手が事実関係を知らなかった事にする
- 言い訳の機会を与えて相手の顔を立てる
どういう事かというと、、、
「そんな状況なら誰だってそう思うよね」
「私もはじめはそう思っていたんだけれどこの事実を知って考えが変わったんだ」
と相手が事実関係を知らなかった事にして”仕方がなかった”という状況にしてあげれば、相手が考えを変えやすくなる事もあります
日本人は”言い訳”に強い嫌悪感を持つとおもいます。
でも、言い訳は良い雰囲気で議論を進めるうえでは積極的に認めてしまっても大丈夫な場合があります。特に学校や保育園の先生は、子ども達に対して言い訳の余地を与えてくれません。それどころか、議論の前に逃げ道をすべて潰されてしまう事もあります(笑)
逃げ道を失った子ども達は、癇癪を起したりその場から逃げ出したりしますが、それは言葉での抵抗を失った子ども達が自分の自尊心を守ろうとする逃避行動である場合が多いです。
しっかりと話し合いで解決したいと思うのであれば、相手が自分の自尊心を守る余地を作れるように配慮すべきではないでしょうか。
まとめ

今回は、相手の自尊心を傷つけずに議論の場で自分の意見を伝える方法をお伝えしてきました。
6つのルールは以下の通りでしたね
- 相手に意見を述べさせる
- 答える前に間を置く
- 100%勝とうとしない
- 控え目な態度で主張する
- 第三者に代弁してもらう
- 相手のメンツを潰さない
参考文献はコチラになります
大人同士で何か議論をする場合はもちろんですが、子ども達に大切な事を伝えたいと思う場面でも使える考え方やテクニックだと思うので、良いなと思ったものがあれば是非、議論実践の場に取り入れてみると、相手の反応の違いを感じる事が出来るかも知れません。
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