遊びの分類を覚えよう!【パーテンの遊びの分類を解説!】

保育に役立つ心理学

今回のテーマは子どもの遊びです。

発達心理学者のパーテンは、子どもの遊びと社会性の発達に関連があるとの見方を示しました。

そして子どもの遊びを大まかに6つの種類に分類しています。

遊びの分類一覧

  1. 何もしない遊び
  2. 1人遊び
  3. 傍観的行動
  4. 平行(並行)遊び
  5. 連合遊び
  6. 協同遊び

それでは、それぞれの遊びの特徴について、現役保育士の視点も加えながら詳しく解説していきます。

パーテンによる遊びの分類

①何もしない遊び

目的もなくぶらぶら歩きまわったり興味のあるモノをひたすら見るなど、集団の中で何もしていないように見える状態の事を指します。

これは、本来の遊びに進む為の前段階だと言われています。

ただぼーっとしているように見えますが、様々な刺激を受け、吸収している状態であるといえます。

この時保育者は好きな遊びに誘ったり、一緒に遊びを探す等の援助をしていきます。しかし場合によってはこの「何もしない状態も認めてあげる」事が大切です。

この行動に意味はなくとも、意義がある可能性があります。まずは暫く観察してから、手を差し伸べるようにしましょう。

②一人遊び

明らかな遊びの状態ですが、自分1人だけで遊んでいる状態を指します。子どもが遊んでいる時に他の子どもへの関心が見られない場合は「1人遊び」だと思っていいでしょう。

独り言を言いながら遊んでいる事もあります。おおよそ2歳~2歳6か月の間に多く見られます。しかし、その後は成長にともない減少していく事がほとんどです。

この1人遊びを十分に保障できるかどうかは非常に大切だと私は考えています。自分1人で集中して遊び込むという経験が、その後の遊びの集中力や物を貸し借りする態度にまで繋がっていきます。

1人遊びを行っている子どもに対しては

  • 空間
  • 音環境
  • 視覚環境
  • 十分な玩具
  • 発達に合った援助

といった環境の保障をしてあげる事が大切です。

1人遊びをしている子どもに対して、良かれと思って「お友達と一緒に遊んだら?」と声をかける保育士さんもよくいらっしゃいますが、社会性の発達という観点からみると、この時期は「1人の遊びが十分に保障される事」を優先課題としても良いと思います。

③傍観的行動

他で遊んでいる子どもの様子を傍に行ってみている状態を指します。一緒に遊ぼうとする等の行動は見られないものの、その子に話しかけるなどのアクションをする事はあります。

傍観的行動がでてきたら、他の子どもへの関心が向き始める段階に来たんだなと理解していいでしょう。年齢で言うと、約2歳6か月ごろ~3歳ごろにかけて見られます。

傍観的行動はその子にとって、「他の子の遊びを見る」という遊びをしている状態と言い換える事も出来ます。

平行遊び

平行遊び」は漢字で「並行遊び」と表現する事もあります。使う漢字は養成校や園によって異なりますが、こだわりがなければ、どちらを使用しても問題ありません。本記事では以下、「平行遊び」の表現で統一したいと思います。

平行遊びは、他の子の近くで同じような遊びをする状態です。ただし、一緒にその遊びを展開する事はありません。子ども同士の交流は見られず、同様の遊びをそれぞれが独立して行っている状態です。

「そこまでするなら一緒にしたら?」と誘いたくなりますが、この言葉かけはきちんと時期やタイミングを見る必要があります。平行あそびの経験はその後の連合遊びへと繋がる大切なものになります。

年齢で言うと、おおよそ2~3歳にかけてよく見られます。

⑤連合遊び

複数の子どもが同じ遊びを一緒に行う状態を言います。平行遊びと異なるてんは、子どもの間に交流が見られる事です。

ただし見られる交流は、道具の貸し借りや簡単な会話などです。同じ遊びを横のつながりを持って行っている状態で、明確な役割分担などは見られません。

4~5歳でよく見られます。連合遊びでは、他の子どもとの交流によって自分が思いもしなかった形で自分の遊びが展開されていく等の面白さがあります。

他の子からアイデアや刺激を受けて展開していく遊びを観察してみるのも面白いかも知れません。

また、連合遊びの段階では友達同士でのトラブルも多くなってきます。トラブルを通して成長していく事ももちろん大切ですが、同時に遊びもしっかり保障していく必要があります。

トラブル場面を通して学んで欲しい事、伝えたい事も勿論ありますが、必要に応じて先手支援を行うなどして、遊びの保障とのバランスを考えていく事も保育者の役割です。

⑥協同遊び

協同遊びは、1つの遊びを子ども達が相互に関わり合いながら進めていく段階です。子ども同士が遊びの中で直接的に交流を持ったり、役割分担を行います。また、遊びのルールなども明確に存在し、それに伴う社会的行動を含んだ遊びが展開されていきます。

まさに、組織的な遊びです。

4~5歳ごろになると急激に増えていきます。

鬼ごっこや役になりきるおままごと等は協同遊びの典型的な例であるといえます。

子どもの遊びを捉える際の注意点

いかがだったでしょうか。

ここで1つ注意点があります。それは、この遊びの分類は発達過程を示すものではないという事です。これは遊びの種類(タイプ)を示すものになります。

発達も関係はしていますが、あくまでもこのような段階、状態の遊びが存在するんだなと認識しておく必要があります。

言語発達や社会性の発達に伴って遊びの質や種類が変化していくという認識で良いと思います

遊びは見守る事が基本

平行遊びをしている子どもを、無理に連合遊び誘う必要はありません。

また、4~5歳になると連合遊びや協同遊びが多くなってきますが、1人遊びや傍観的行動をとる事も勿論あります。この時保育者は「どうしたのだろう?」と心配になり、すぐに声をかけてしまったり、遊びに誘おうとしてしまいます。

しかし、この遊びは子どもにとって重要な意味を持っている事があります。

だからこそ我々おとなは、遊びを注意深く見守る必要があるのですね。

今回の記事が、遊びを捉える視点の1つとして少しでも保育のお役に立てたら嬉しいです。本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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