人の心身が発達していく過程は、スロープのように滑らかな変化だけではありませんよね。
時には、階段のように飛躍的な変化が見られる時があります。
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例えば、青年期に急に身長や体重がぐっと増えたり、親に対する態度が急に変化するなどがあるね!
このような飛躍を質的で非連続的な変化であると捉える見方を発達心理学の世界では「発達の段階説」と呼びます。
今回は、保育士さんが学校で学ぶ有名な3つの発達段階説について紹介・比較していこうと思います♪
①エリクソンの理論
人生を8つの段階に分けて人格が発達する段階を説明したのが、エリクソンの理論となります。
段階 | 課題 | 社会的状態 | 心理社会的結果 |
段階1 (0~1歳) | 世界を 信頼できるか | 〇援助・基本的欲求に対する準備・連続性。 ×援助の欠如。喪失、非一貫性。 | 信頼 VS 不信 |
段階2 (2~3歳) | 自分の行動を コントロール できるか | 〇賢明な寛容さ・援助。 ×過保護・援助の欠如・信頼の欠如 | 自律 VS 疑惑 |
段階3 (4~5歳) | 両親から独立 して自分の限界を 模索できるか | 〇推励・機会 ×機会の欠如・消極的感情 | 自発性 VS 罪悪感 |
段階4 (6~11歳) | 生存し適応する為に 必要な技術を マスターできるか | 〇適切な訓練・十分な教育・良いモデル ×訓練の乏しさ・方向性と援助の欠如 | 勤勉性 VS 劣等感 |
段階5 (12~18歳) | 私は誰? 私の信じるもの、感じるものは何? 私の態度はどんなもの? | 〇内面の安定性と連続性・良い同姓のモデル・正のフィードバック ×目的の混乱・不正確なフィードバック・不正確な期待 | 同一性 VS 同一性拡散 |
段階6 (前成人期) | 他人の為に自分を与える事が出来るか | 〇暖かさ・理解・信頼 ×孤独・排理 | 親密さ VS 孤立 |
段階7 (成人期) | 次の世代に何を提供できるか | 〇目的性・生産性 ×豊さの欠如・退行 | 生産性 VS 停滞 |
段階8 (成熟期) | 自分の人生に満足しているか | 〇終結・統一性・方向性 ×完全さの欠如・大不満 | 自我の統合 VS 絶望 |
詳しくは、こちらの記事で解説しています。
②ハヴィガーストの発達課題論
各年齢には解決すべき課題があり、その発達課題を解決しながら発達をしていく。というのが、ハヴィガーストの発達課題論です。
主な発達課題は以下の通りです。
発達段階 | 発達課題 |
乳児期 幼児期 | ・歩く事を学ぶ ・硬い食べ物をたべる事を学ぶ ・話すことを学ぶ ・排せつをコントロールする事を学ぶ ・性の違いと、性に結び付いた慎みを学ぶ ・概念を形成し、社会的現実と物理的現実を表す言葉を学ぶ ・読むための準備をする ・良いこと・悪い事の区別を学んで良心を発達させはじめる ・善悪の区別・良心の学習 |
児童期 | ・普通のゲームをするのに必要な身体的スキルを学ぶ ・・成長している生物としての自分について健全な態度を築く ・同じ年ごろの仲間と上手く付き合っていく事を学ぶ ・男性あるいは女性としての適切な社会的役割を学ぶ ・読み、書き、計算の基本的スキルを学ぶ。 ・日常生活に必要な概念を発達させる ・良心・道徳心・価値基準を発達させる ・個人的な独立心を形成する ・社会集団と社会制度に対する態度を発達させる |
青年期 | ・男性・女性としての社会的役割を獲得する ・同性と異性の同じ年ごろの仲間との間に、新しい、そしてこれまでよりも成熟した関係をつくり出す ・自分の体つきを受け入れて身体を効果的につかう ・両親や他の大人からの情緒的独立をたっせいする ・結婚と家庭生活の為に準備をする ・経済的なキャリアに備えて用意する ・行動の基準となる価値と倫理の体系を習得する(イデオロギーの発達) ・社会的世紀人を伴う行動を望んで成し遂げる |
成人前期 | ・配偶者を選ぶ ・結婚した相手と一緒に生活していく事を学ぶ ・家族を形成する ・子どもを育てる ・家庭を管理する ・職業生活をスタートさせる ・市民としての責任を引き受ける ・気の合う社交グループを見つけ出す |
中年期 | ・ティーンエイジに達した子ども達が、責任を果たせて、幸福な大人になる事を助ける ・成人としての社会的責任と市民としての責任を果たす ・自分の職業生活において、満足できる業績を上げてそれを維持していく ・成人に相応しい余暇時間の活動を発展させる ・中年期に生じてくる生理的変化に対応してそれを受け入れる |
成熟期 | ・体力や健康の衰えに対応していく ・退職と収入の減少に対応していく ・配偶者の死に対応する ・自分と同年齢の人々の集団にはっきりと仲間入りをする ・社会的役割を柔軟に受け入れてそれに適応する ・物質的に満足できる生活環境をつくりあげる |
詳しくは、こちらの記事で解説しています。
③ピアジェの認知発達論
ピアジェの理論は、子どもの認知期のうがどのように発達していくのかについて理解する為の理論です。
誕生から成人期までを4つの段階に分けて、子どものイメージする能力や推論する力などの認知能力がどのように変化していくのかを説明している理論になります。
時期 | 特徴 |
感覚運動期 | 自分の身の回りの世界に主に動作によって適応する。 身振り手振りや声、動きを通して人々やものと相互に作用しあう ・感覚と運動 ・モノの永続性の獲得 ・遅延模倣の獲得 |
前操作期 | 感覚運動的活動の代わりに、イメージ、身振り、言語を使う事が出来るが理論的な思考をするのは難しい ・象徴機能の発達 ・自己中心的な姿 ・アニミズムの獲得 |
具体的 操作期 | 自分自身の具体的な経験に基づいてなら、理論的な思考が可能である。 しかし、抽象化されたものは扱えない ・論理的になる ・保存の概要獲得 ・3つの山の課題が分かる |
形式的 操作期 | 直観的に一度も理解していない抽象的な事柄について論理的に推論できる。 また、すべての大人がこの段階に達している訳ではない。 ・抽象的思考の獲得 |
詳しくは、こちらの記事をご覧ください
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