以前の発達とは何かという記事の中で、発達の原理・原則について再確認しました。
では実際にどのようにして発達を理解していけばいいのでしょうか?
今回は保育者が子どもの発達を理解する為の3つの方法について紹介していきます。
行動観察
1つ目の方法は行動観察です。
行動観察は自然観察法という方法で行うのがベターです。
自然観察法とは子どもが何も干渉を受けていない状態で自然に起こる行動を観察する事です。
また、観察の形態は以下の2つがあります。
- 参加観察
これは観察者(保育士)等が子どもと直接的に関わりながら、共通体験を持つ事で、子どもの環境の内部から観察が出来る方法です。
- 非参加観察
コチラは子どもと観察者が直接的な関わりを持たずに観察をする方法です。
この2つの観察方法を保育の状況によって使い分ける等して適切に選択していく事が観察をより良いものにする第一歩です。
行動観察の視点
行動観察は以下の様な視点を持って行うといい。
- 年齢から見た一般的な発達とのズレ
- 視覚・聴覚の使い方
- 運動発達
- モノ・人との関わり。(集中できてる?ごっこ遊びやルール遊びの仕方はどうか?)
- 情緒の安定性(怒り・不満・パニックが起きた場合の回復の様子)
- コミュニケーション(発語と言語理解の度合い・身振り・サインの使い方)
保護者との関係の視点
- 保護者との信頼関係
- 身体接触の頻度
【留意点】
- くっついて離れない
- 不安な時だけ抱きつく
- 触れるのを否定する
【親から離れる場合の、別れる時と再会した時の行動や表情】
- 怯えた表情
- かなしげな表情
- 声を上げる
- 遊びや動作を辞める
- 駆け寄る
- 離れたがる
- 保護者や保育士に何らかしらのアクションを取る
保護者からの聞きとり
2つ目の方法は聞き取り調査です。これは子どもの発達を把握するのに効果が大きいものですが、保護者との信頼関係を壊さないよう、慎重になる必要はあります。一般的に聞き取り調査にはフェイスシートを用います。
フェイスシートでは成育歴・家庭環境・養育環境・発達の様子・家での様子などを主に把握していきます。把握した情報を分析して発達を把握していきます。
保護者からの聞き取り調査を行う場合は、得られた情報をしっかり個別支援計画に活用できる工夫が必要となります。
知能テスト・発達検査
子どもをより客観的に多面的に理解する為の方法として、知能検査や発達検査があります。検査に当たっては子どもを緊張させすぎても、慣れ過ぎていても正確な測定は出来ないため、やはり療育センターでの測定が望ましい。
まとめ
子どもの発達を理解する事は子ども支援の大きな第一歩となります。
支援の際にはまず、発達を理解する。これを意識するだけでも支援のゴールやニーズが明確になり個別の支援計画も立てやすくなります。
今回紹介した3つの方法を用いてこどもの発達を正確に把握して、保育をもっと面白くしていきましょう。
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