乳児から幼児へ! 移行時期のポイント

その他

今回は、乳児から幼児への移行時期における支援のポイントを私なりに考えてみましたので一緒に勉強していきましょう。

学生さんはもちろん、次年度3歳児クラスや異年齢クラスを担任する先生にとって少しでも、実践のヒントになると嬉しいです。

乳児から幼児への移行は難しい?

まず、乳児から幼児への移行はなぜこんなに難しく感じるのでしょうか。

1つは、「担任の数が減るから」という要因が大きく関わっています。

保育士の配置基準を見てみると、

2歳児 ⇒ 子ども6人につき、保育士1人

3歳児 ⇒ 子ども20人につき、保育士1人

4歳児 ⇒ 子ども30人につき、保育士1人

と年齢が上がるにつれて子どもに対する保育士の数が少なくなっており、未満時から以上児への進級に伴ってほとんどの場合、担任の数が減る事が多いです。

とはいえ、3歳児さんの4月はまだまだ生活面での自立が進んでいません。おむつが外れていない子もいますしお着替えも自分でする事が難しい子もいます。食事に関しても個別の介助が必要な子もいるかも知れません。

それに加えて、生活の場所や担任が変わる等の環境の変化は子ども達を混乱させたり、ソワソワさせます。

このような複数の要因が重なって、以上児への進級に「バタバタしてしまう。」「大変」と感じてしまう保育士さんも多いのではないでしょうか。

配慮や工夫で混乱を防ごう

大切なのは、環境に子どもが合わせるのではなく、子どもに環境を合わせていく事です。

新しいクラスに上がった不安が強く出る子等、個々の課題があります。幼児クラスのはじめも丁寧な関りが大切です。

生活の工夫

生活面では、特に環境配慮が必要となります。最初の1か月は特に、生活の流れや日課、生活する場所の使い方を丁寧に伝えていく事が一番大切になります。

担任との信頼関係を築き、生活の見通しをしっかり持てる事が最初の目標です。今まで出来ていた事が出来なくなる場面等もあるかも知れませんが、頑張っている姿をしっかり認め、子どもが生活の流れにしっかり乗れるようにしましょう。

子ども達が生活の流れに乗れるようになるための大切なポイントは、「場所は変わっても手順は変わらない配慮」をする事です。

今まではかごに脱いだ着替えを入れるだけだった。

でも、進級したんだから、今日からは畳んでバックに入れよう。

という大きな手順の変化はなるべく起こらないような配慮が必要です。

「場所は変わったけれど、手順は一緒なんだ!」と子どもが理解してくれたら生活は一気に落ち着いていきますし、子どもにとっても大きな自信になります。

出来るのにさせないのはどうなのか。。。

しかし、こんな意見もありますね。「この子たちはもう自分で畳む事が出来る!今まではさせてなかったけれど私が担任になったら早くからさせてあげたい!」

この場合も、やはり急ぐ必要はないでしょう。「できるのにしない!」という事を悪い事のように捉える先生もいらっしゃいますが、大切なのは就学前に獲得できている事です。

繰り返しますが、以上児に進級した年度のはじめの目標は「子どもが見通しをもって生活をし、新しい環境を知る事」です。

なんでも早ければ良い訳ではなく、しっかりと長期的な視野を持って年間計画を立てていきましょう。

着替え環境の工夫

ポイントとしては、自分の事をしやすい環境を整えてあげる事です。先ほどからあげているお着替えの例で説明すると、

必要に応じて、座る場所やものの置き場を誘導して指定してあげる等の配慮も必要です。

「そんなところで着替たら狭くなるのわからない!?」と声をかけるのではなく、「広いからこっちにおいで」と先生からも着替えの様子が把握でき、必要に合わせてほめたり、手伝える場所へ誘導してあげましょう。

ポイントはできている子に対してもしっかり先生から見える場所へ誘導する事です。できている子は目立ちません。しっかり見える場所へ誘導する事で、出来ている部分をほめたり認めてあげる事が出来ます。

日課の工夫

一斉に動く事はなるべく少なくしましょう。

例えば外に出る際に、全員が一斉に出ると出入り口を人が行きかう場面が増えたりトイレが混雑したり、外遊び後の着替えも混雑したりと遊びの前後の流れが落ち着かない雰囲気になります。

また、子どもが「待つ時間」が多くなってしまいます。待つ時間、我慢する時間はまだ不要です。

人数の少ないクラスなら配慮は不要ですが、人数の多いクラスでは担任が2人いらっしゃると思うので2つのグループに分かれて10分ほどの時間差でお外遊びに行くのもよいでしょう。

そうする事で子ども達も自分のペースで生活でき、大人も子どもの生活の様子を丁寧に見る事が出来ます。

1つ注意する点としては、グループを固定してしまうと、遊びに偏りが出たり、特定の子としか遊ばないといった事に陥る事もありますので、バランスを見ながら進めていく必要があります。

子どもたちの様子を見ながら徐々に一斉で動く事に移行していきます。その際も、大まかな時間は配分しても、子どもがしっかり自分のペースで準備等ができるように配慮する必要があります。

一斉といっても、準備が出来た子から順次に外に出ていくなど小さな時間の差はしっかりとれるようにしてあげたいですね。

あそびの環境について

特に製作道具をどこまで出すかは、悩まれるポイントだと思いますが画用紙とクレヨン以外は子どもが新しい環境に慣れてきてからでも良いのかなと思います。4月当初は、あまり細かいおもちゃを置かないようにし、様子を見ながら増やしていくのがベターですね。

また、室内でも動けるスペースは確保していきましょう。体を動かす遊びの保証は大切にしていきたいポイントの1つです。

基本的な考え方

当たり前ですが、3歳児クラスに上がったからといって突然できる事が増える訳ではありません。

また、今まで出来ていた事が出来なくなる事も自然な事として起こりうる事を再確認しておきましょう。

難しい事ではなく、子どもの姿にあった生活をコーディネートしていきます。

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