良くある3つの”気になる姿”と”対応”

その他

①集中力に欠け、落ち着きのない子ども

「集中力に欠ける子ども」「落ち着きのない子ども」などは保護者にとっても「言葉の遅れ」などのいわゆる発達の遅れより、大きな不安要因となります。

しかし、全てが問題となる訳ではありません。

子どもはエネルギッシュで好奇心の旺盛な存在です。むしろ多少の活発さは健全な証です。

ここで問題となるのは「状況・場面の応じて行動統制する事が出来ず、絶えず不自然で過度な動きがあったり、集団場面で勝手な動きをしてしまう」場合です。

対応例:子どもを取り巻く環境・人間関係を見直してみる

【原因例】

保護者が厳しすぎたり、過干渉であったりすると、子どもはいつも厳しい目で見られている緊張感を強いられて情緒不安定になったり、ストレスで落ち着きをなくしたりする事があります。

そして子どもの乱暴な姿や落ち着きの無い姿ばかりを指摘し、気持ちを受け止める事が出来ないと子どもも親に対して否定的な感情を抱いたりします。

【この場合の対応】

保護者には過度な期待を押し付けたり、多干渉になったりせずに一緒に生活を楽しみ見守る態度を身につけてもらう為の援助を展開したいですね。

また、この様な子どもは『承認欲求』が強く、誰も注目しないと行動がエスカレートする場合も多いです。子どもの良い点を認め、ほめる事で子どもは自身をもち、行動面が落ち着く事もあります。

【原因例②】

父の単身赴任・弟や妹の誕生・祖父母の介護・両親の離婚や入院など、家庭環境の変化によっても子どもの情緒は大きく揺れ動きます。こうした不安や困難のサインとして「落ち着きの無さ」を示す事があります。

したがって、行動の背景にある要因を探る事も重要となります。

②緘黙児

家ではよくしゃべるのに園では全く異なる状態を示す子どもを「場面緘黙児」という。緘黙傾向が強く、身体も硬直させている場合は、担任の気づきも早いだろうが、一般的に緘黙児は他児に直接迷惑をかける訳でもなく担任の目にはおとなしい子と映ってしまう場合も多いです。そして「入園したばかりで緊張しているけどそのうち慣れるだろう」と様子を見ているうちに一年が過ぎる場合も少なくないです。

しかし、子どもはSOSを出し続けています。

【対応】

こういった子どもは「自分が担任の時に話せるようにしよう」とするのは難しいです。緘黙の対応に焦りは禁物です。力を入れるほど逆効果になっていく場合も多くあります。保育者と話せなかったり、みんなの前で発言できなくても、まずは楽しく登園できればベリーグッドです!

また、表情や視線・仕草や関わりを通してもコミュニケーションはとれる。緘黙児に対しては何かを共有する手段によって非言語的コミュニケーションが成立しやすいです。

例えばとなりでご飯を食べたり、一緒に製作をする。あるいはお手伝いをお願いする事もこれに当たります。お手伝いは終了後「ありがとう!助かったよ」とメッセージを添えれば「先生の役にたてた」という自己有能感を高める事が出来ます。こうした時間や行動の共有は信頼関係の基礎となりますが、意図的になり過ぎると緊張感を増幅させてしまう事もあるので注意が必要です。

ポイントはさりげなく、心が通う関係づくりからはじめる事です。

焦らず、ゆったりとした雰囲気を作り、得意点を認め、自信を持った行動の増える援助を心がけたいですね

③母子分離不安の強い子ども

登園時、保護者とスムーズに離れられない場合、無理やり離そうとするのはもちろん逆効果です。子どもに恐怖心と不安をつのらせてしまう原因となります。大泣きするのは親から離れるさみしさや不安が大きな原因です。

子どもが気づかないうちに保護者が帰ってしまうのも不安をより強くしてしまう為、逆効果です。

この場合、「夕方迎えに来るからね」ときちんと告げる方が良い。暫くは泣いていても保育者が保護者に代わる安全基地となれば、子どもの姿も安定してきます。

そして何より愛情をたっぷり与える事や、抱きしめる等のスキンシップや言葉がけにより心を満たす事も大切です。丁寧に対応してあげましょう。

自宅では保護者が、園では先生がそれぞれ安全基地となる事が大切です。親には「焦らず、そのままたっぷり愛情を与えていけばいいと思いますよ」と伝えていいでしょう。

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