環境認識の課業記録です。
今回のテーマは、公共の乗り物です。公共の乗り物って何だろう?お家にある車と違う所はあるのかな?身近な公共の乗り物のヒミツに迫ります!!
課業前のクラスの様子
これまで、私たちのクラスでは消防自動車の見学を基に、消防ごっこで遊んでいました。消防ごっこは思ったよりも大盛り上がりで、長い期間続いていました。
そんな中、お部屋の片隅でプチブームを起こしていた遊びがあります。それが、電車ごっこやバスごっこです。
年中さんと、年長さんがメインで作った消防車に乗って運転するのがとっても楽しかった様子の年少さんは、隣にバスを作って遊んだり、椅子を並べて「電車で―す!どこまで行きますか~?」と楽しんでいた。
楽しそうな遊びだが、遊びは単純なパターンの繰り返しだったので、公共の乗り物に対する認識が深まればきっと遊びも深まると思い、計画しました。
例えば電車やバスは駅やバス停に停車しますし、運転手さんのお仕事は“運転”だけではありません。
また、公共の乗り物ではお金を支払う必要があります。このような事をこども達に認識してもらう為に「公共の乗り物」というテーマで以下のような環境認識をしてみました。
準備物
- 課業マット
- 分類用マット
- 乗り物カード(以下参照)
課業の流れ
課題① 体験想起
まず、これまでの体験を想起します。私たちのクラスでは環境認識の課業を行う前の週に、実際にバス乗る体験活動をしていました。その時の体験も含めてみんなで想起してみます。
方法:話す事・探す事 / 内容:カードを見て話す
- 自転車・自家用車・バイク・バス・タクシー・ひこうき・電車・新幹線 のカードをマットに広げて「これは何という乗り物?」と問いかけます。年少さんでもこたえられる簡単な質問です。
- 次に、乗ったことがあるモノを聞きます。乗ったことがあるモノがあれば、「それに乗って誰とどこにいったの?」と聞きます。
- 次に「先生が言うものに合っている乗り物をその場で指さしてね」と問いかけ、いろいろ問いかけます。例えば以下のような質問も考えられますね。
- 線路を走る乗り物を1つ指させるかな?
- 空を移動できるのはどれかな?
- 客席があるものを1つ指させるかな?
- 運転士さんが運転できるものは?
- みんなのお母さんやお父さんでも運転できるものは?
課題② 乗り物の特徴を考えよう
方法:分類 / 内容:2つの事を質問し、子ども達にカードを分類してもらう。
1つ目は、「似ている乗り物はあるかな?見つけた人は教えてくれる?」という質問です。8枚のカードの中から2枚のカードを選んでもらい類似点について話してもらいます。選ばれた2枚のカードは皆に見えるように私が手に持って提示しました。
2つ目の質問は、「公共の乗り物と家族が使う乗り物に分けられる?」という質問です。布を2枚準備し、家族で使う乗り物と誰でも利用できる乗り物(=公共の乗り物)に分類してもらいました。
公共の乗り物という言い回しが分かりにくければ「お金を払わないと乗れない乗り物」と表現しても良いかな~と思います。
課題③ あってる・あってないの遊び
最後に合ってる。あってないの遊びをしました。
方法:仕草で示す / 内容:先生が言った事が合っていれば〇を、合っていなければ×を手で作る。
異年齢の合ってる合ってないの遊びでは、年少・年中・年長それぞれを意識した発問が出来れば最高ですが、ここは私も現在勉強中です(笑)今回の課業では以下のような発問をしてみました。
問題の間に、質問を挟んだりして年長さんを中心に答えてもらいました。質問例は( )に示しています。
- 電車にはたくさんの人が乗れますー〇
- 車には電車よりもたくさんの人が乗れますー×
- お家の車にはタダで乗れますー〇
- バスにはタダで乗れますー×
- 新幹線はだれでも運転できますー×(誰が運転するかな?他に運転士が運転するものはあるかな?)
- バイクにはたくさん人が乗れますー×(じゃあ何人のれるかな?)
- タクシーは好きな所へ連れて行ってくれますー〇
- バスは駅に停まりますー×(じゃあどこに停まる?)
課題④ ワークペーパー
これは、課題遊びとして自由遊びの時間に行いました。年長さんを中心に、興味がある子達が先生と一緒に楽しみました。子ども達は先生の発問を聞きながら、ワークペーパーを進めていきます。
先生は、子ども達に以下のような発問をします。
- お金を払って乗る乗り物を青で囲みましょう。
- お家にある乗り物があれば赤で囲んでごらん。
- 好きな乗り物に色を付けましょう。どんな色で塗ればいいかな?
課業後の個人的な感想
今回の環境認識の課業では「公共の乗り物」を取り上げました。私たちの地域は、公共交通機関があまり発達していない田舎です。家庭では自家用車が普及しています。クラスの家庭に今のところ車を持っていない家庭はありません。(私は持っていませんが・・・笑)
だから、公共の乗り物は都会ほど身近な乗り物ではないんですね。とは言え、園の前をバスもよく通りますし、園から100mほどの所に踏み切りなんかもあったりして、目にする機会は多いです。だから遊びとして発展する事も多いんです。ただ、実際に乗車を経験している子が多い訳ではないので園の活動として経験してみたり、課業で取り上げてみるのは凄く良いなと思いました。
私たちの園には、小学校に上がった時にバス通学をする子はいません(いまのところは)だからそこまで深めませんでしたが、バス通学が当たり前の地域の園なら「乗り方」という部分にもフォーカスして良いかも知れませんね。
どちらかと言えば役割遊びとして発展する事を願いつつ、行った課業でした。また、今回はボリューム的にも15分くらいの短い課業でした。それでも、体験→遊び→課業→遊びと、課業の前後も含めて一体的に1つのテーマを遊んでいく事で子ども達の認識が深まっていくのを感じられました。
課業後のクラスの様子
バス体験と、課業の後は構造コーナーにバスが出来て、バスごっこが発展しました。
これまではお客さんが「公園まで行きまーす!」と勝手に乗車していましたが、課業後は無線をもった運転士さんが「次は○○バス停です!おりますか?」とか「降りる時にはボタンを押してくださいー!」と話しながらの遊びになっていました。
また、バスの前には大きなバス停も登場し周りの環境もととのっていきました。
更に、バスの中に整理券が登場しました。降りるときは整理券とお金を専用の集金ボックスに入れて降りる仕組みが出来上がっていました!
衣装を着て、バスを運転して遊んでいる子の所にお客さんが来るようになりました。常連さんはお家ごっこをしていたグループ。子どもを連れてリュックサックをもってお出かけをするという遊びをしているようでした。これまでは、赤ちゃんをおんぶして徒歩でピクニックに行く事が多かったですが、バスで公園に行くという設定も増えた気がします。遊びと遊びが繋がって発展していました。みていて楽しかったです(笑)
また、年少さんは初めての課業への参加でしたが楽しめたみたいでよかったです。「あってるあってない」の遊びを自分たちでやったりしていました。子ども達にとっては問題を考えるのも良い課題です。
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